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ブラッドフォード大学大学院 体験記
(MA in Peace Studies, Bradford University)
ブラッドフォード大学との出会い
よく晴れた10月の日曜日だった。
一年後からイギリスに留学しようと思いながらも、志望校の選定が進まない。というより、「まだまだ先だから」となかなか考えようともしない自分がいた。大学入試もはじめの就職も、なんとなく縁のあったところを選んだ。日本にある大学や企業については少しぐらい知識やイメージがあるのでそれをもとにすれば自分なりに選択肢をしぼり、決めることができた。
しかし、イギリスの大学院のことなどほとんど知らない。知ってるのはオックスフォードとケンブリッジの名前ぐらい。その二つのどちらかを選ぶか?そういうわけにもいかない。英国留学関連の本を読むと「大学名ではなく、専攻分野や学びたい教授によって」選ぶべきと書かれていた。そんなこと言われても、知るかっての。
分からなかったら調べればいい。そう、その通り。
しかし、土壇場にならないとやらない性格の僕は、それだけの作業を始めることができなかった。
よく晴れた10月の日曜日だった。
こんなに晴れてるのに、部屋にいるべきじゃない。
桜新町のアパートから自転車を漕ぎ始めた。行き先をしばらく考えた後、東京国際フォーラムに行くことにした。
何日か前に久しぶりに電車に乗ったときに、「UK留学フェアー 東京国際フォーラムにて」という車内広告を見た。まさか行くまいと思っていたが、晴れてるし、行ってみるかな。
よく晴れた10月の日曜日だった。
UK留学フェアは盛況だった。こんなにたくさんの人がイギリスで勉強したいのかと驚いた。適当にブースを回ってみる。
バーミンガム・エジンバラ・エセックス・・・聞いたことあるような大学が並んでいた。「国際政治」や「国際関係論」を扱う学部について適当に質問してみた。どこの学校も分かるような分からないような説明をしてくれるが、イマイチ。結局自分でパンフレットをよく読むべきなのかな。
5校ほど回って、すっかり飽きた。僕は混雑したところが好きではないのである。早く外に出て太陽を浴びたい。あと1校だけ見ようと思った。
「University of Bradford」
ブラッドフォード?聞いたことないな。まぁいいか。「こんにちは、話聞いてもいいですか」
「うちは、ピーススタディが有名です」
「は?」
「ピーススタディです。戦争と平和のヘイワ」
「!」
平和が学部の名前になっているとは。その漠然さたるや総合人間学部のようだ。そんな名前を冠した学部なら、すごく面白いか、すごく馬鹿げているかどちらかに違いない。僕はこの大学に興味を持った。平和学こそ今僕が学ぶべき学問なんだと直感した。
よく晴れた10月の日曜日だった。
しかし、太陽が出ているうちにアパートに戻った。珍しい。
僕はブラッドフォード大学のパンフレットを一気に読んだ。平和学についてインターネットでリサーチした。
◇
その後、ブリティッシュエデュケーションオフィスというところが主催する「ブラッドフォード大学説明会」に足を運んだ。くだらなすぎたという以外、内容に関してはほとんど覚えていないが、そのときに一つ、僕の心を動かした一言があった。
「ブラッドフォードは、カレーで有名です」
心は決まった。
ブラッドフォードに行こう。そして、平和とスパイスについて、学ぼう!

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