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ブラッドフォード大学大学院 体験記 ブリティッシュ・ウェイ 〜できるのになぜ断る?〜「I'm afraid I can't」 イギリスに来てから、このような言葉をよく聞く。 今までいろいろな国を旅してきたが、外国に住むのは僕にとって初めての経験である。旅をしているときは多少不便な目に遭うほうが後々ネタになるし、数日経てばその場を離れるので、些細な出来事をそれほど気にする必要はない。しかし、「外国に住む」ことを始めた今、少しでも快適な環境を得るためには大きな問題はもちろん、些細な出来事もできるだけ解決していく必要がある。 イギリスは進んだ国だと思っていた。日本にいるときと同じような快適な暮らしができると信じていた。しかし、それは大きな間違いだった。電車や地下鉄が遅れるのは当たり前で、サービスが完全にストップすることもしばしばだし、エレベーターの故障やインターネットの不具合もしょっちゅう起こる。先日など、ロイヤルメール(イギリスの郵便局)がストをしポストがすべて封鎖され、郵便の配達が滞っていた。 面倒だとは思いながら、起こった問題をレポートしにいく。アパートならレセプション、大学なら事務所、図書館ならカウンター、地下鉄なら切符売り場・・・などなど。しかし、その問題を聞いてまず一言目に発せられるのが、上に書いたような言葉である。この言葉は次のように訳すのが適切だ。 「そんなの知りませんよ。私の問題じゃない。他の人に言ってください」 他の人というのはここではここにいない人のことをさす。アパートのレセプションに問題をレポートすると管理会社にしか分からないというし、バスの車内で起こった問題であればバス会社のオフィスに行けという。しかし、この言葉を信じてはいけない。言われた先に行ってもまた同じようなことを言われて盥回しにされるからである。 問題を解決するには、その場に居続ける必要がある。その問題を解決するのに適切だと思っているからその場に問題をレポートしに来たのであり、それが全く的外れであることはまずありえない。彼らは問題を解決できないのではなく、問題を解決したくない、または、問題に巻き込まれたくないだけなのである。クレイムに対応するということは彼らの仕事を(少しでも)増やすことである。彼らはそれを受け付けたくない。だから、「一応」断ってみているだけなのである。 ◇ 一番ひどい例としては、アパートの暖房の例が挙げられる。 この件を管理元にEメールで報告すると「我々はすでにサーモスタットの調整を終えたので問題はない」という答えが返ってきた。問題があるからメールを出しているのだけど・・・と返事を返すと、全く音沙汰なし。何度か連絡をしてもエンジニアを派遣する日を後日連絡する、というがエンジニアがいつ来るはわからない。なぜなら「行くのは私じゃなくて、エンジニアだから」。 後日、レセプションに行って、たずねた(当日でなく後日行った理由は、レセプションは「人手不足のため」午前中しか開いていないから)。するとやっぱり断られた。「私には暖房をあなたに与える権限はありません」と。またか、とは思ったが、ここでもらえると言われたのだからとにかく粘ることにした。権限なんてどうでもいいから、寒い部屋を暖かくする方法を考えろとか、居住者を凍死させるなとか、とにかくいろいろといい続けて、そこに居続けた。すると・・・。 * しかも、そのヒーター小さいけどものすごい強力で、1分もしないうちに部屋が暖まります・・・。 (2003年11月20日) Copyright (c) 2000-2003 BEEMANet All Right Reserved. |