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旅のスタイルブリュージュは美しい町だった。 風景が整いすぎているのが一つの原因だと思う。きれいな街並みが孤独を浮かび上がらせるのである。教会の鐘や運河の水音が心に響く。端正は風景は心に小さな感動をもたらすが、一人で歩いていると、感動の断片が処理しきれないまま消えてしまうような気がする。 大学生の頃は他の人がなかなかできないことをすることが旅の究極の目的であるような思いを抱いていた。それゆえ、暑ければ暑いほど、バスのゆれが激しければ激しいほど、訪れる町がマイナーであればあるほど、「後で話のネタになるから」と喜んでいた。もちろん、今でも同様の思いは持っている。旅の醍醐味は人の足跡を追うことではなく、自分で道を見つけることにあると信じている。 しかし、旅を繰り返しているうちに、「こんなことをしてきたんだぜ」と後から自慢することよりも、その時々の発見を他人とシェアし、その時々に消化したいと思うようになった。昔より小さな事象に気がつくようになったのか、単に二十歳の頃のがむしゃらさが薄れてきた結果なのかはわからない。 他に客のいない町外れのレストランで、一人、そんなことを考えた。 >>旅人を動かすもの |
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