東京大空襲から60年

芸術劇場で式典と祈念コンサート
黙祷する東京大空襲祈念コンサート参加者(撮影:佐谷恭)<br />
 東京大空襲からちょうど60年の10日、東京芸術劇場(豊島区西池袋)で「第15回東京都平和の日記念式典」と東京都交響楽団による祈念コンサートが開かれた。式典の前に、芸術劇場のオルガニストでもある小林英之上野学園大学教授がパイプオルガンを演奏した。
 式典ではまず、豊島区の小中学生約560人を含む約1400人の参加者全員が黙とうし、東京大空襲犠牲者の冥福を祈った。石原都知事は冒頭の挨拶で、「約10万もの人が亡くなった悲しい記憶だ。戦争体験のない若い人が増え風化しつつあるが、被災者の苦労のお陰で現在があることを忘れないようにしたい」と話した。また、テロや紛争だけでなく、飢餓や貧困のない恒久平和の状態を作るため、世界の人々と相互理解を深めることが我々の使命、と力説した。
 在日外交団代表として挨拶したチュニジアのサラ・ハンナシ特命全権大使は東京大空襲の犠牲者に哀悼の意を表した後、スマトラ島沖地震を含む紛争・災害の犠牲者すべてのために祈ろうと訴えた。加えて、「津波の被害者が救われたのは国際的な連帯と思いやりがあったからだ」と述べた。
 参加者は東京都交響楽団が演奏するバッハのアリアを聞きながら再度犠牲者の冥福を祈り、夕焼け小焼けやスコット・ジョップリンの「メープル・リーフ・ラグ」などに聞き入り、穏やかな時間を過ごした。
 ジャマイカのポール・ロボサム大使はコンサートを聞いて、「わが国のボブ・マーリーは音楽で平和と愛と調和を表現した。音楽にはそういう力がある。気持ちもリラックスできる」と目を細めた。
 福島で空襲を体験し、すぐ近くで友人が左腕を怪我した経験のある高橋市子(69)さんは「今までこのような式典があることは知らなかった。過去を忘れないため、また来年も参加したい。泣けるよ」と話した。【了】

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