2005年11月25日

スラムの天使「平等な教育を」

タイのプラティープさん、学生らに語る

タイで38年間、子どもたちの教育やスラム住民の生活向上のために活動し、“スラムの天使”とも呼ばれるプラティープ・ウソンタム・秦さんが25日、東京都豊島区の立教大学で公開講演し、聴講に集まった国際開発などに興味のある学生らに、自らの体験を語った。

 プラティープさんはタイ最大のスラムであるクロントイ出身。16歳のとき、教育の機会を持てないスラムの子どものための私塾「1日1バーツ学校」を開いたことや、正規の学校ではなかったため、タイ政府から閉鎖命令や立ち退き命令があったが、平等な教育の機会を与えたいという信念から、社会の圧力と闘ったことなどを話し、「生み育ててくれた両親の懸命な姿や、スラム生活時代の他地域との差を見た自らの経験を原動力にしながら、“公正さ”という信念を常に持って活動してきた」と語った。

 また、プラティープさんは「文化を学びあい、交流しあうことが、将来につながる」と、交流の大切さを説明。「大人が青少年に問題提起し、青少年は考える力を養う必要がある。地球上でどのような変化が起きているか学習し、自らや地球が直面している問題について考え、準備していかなければならない」と語りかけた。

 1978年に活動の功績が認められ、アジアのノーベル賞と言われるラモン・マグサイサイ賞(社会福祉部門)を受賞し、その賞金を元手に、“希望の灯火”を意味するNGO(非政府組織)「ドュアン・プラティープ」を設立し、スラムの子どもの教育や福祉改善に力を尽くしている。2000年3月からは、上院議員を務めている。【了】