自宅でも、会社でも、インターネットをするのが当たり前になった。
有線ケーブル回線を使わない「無線LAN」のサービスも充実してきた。
“いつでも、どこでも”インターネットを使えるようになると、どんなメリットがあるのだろう。
無線LANの未来像をチェック!
とりあえず、パソコンを外に持ち出してみた
12月1日、livedoor Wireless(ライブドア・ワイヤレス)が正式サービスを開始した。今まで僕は、取材で外出した時には、携帯電話を主な連絡ツールとして利用してきたが、これを機に公衆無線LANサービスを利用し始めた。これまでもカフェや駅などに、インターネットを利用できる「ホットスポット」と呼ばれる場所はあったが、ライブドアの“公衆”無線LANは「山手線内を面でカバーする」という点が異なる。つまり、サービスエリア内ならば、アクセスポイント探しにはもう手間取らない。
外出先でインターネットが使えるのは本当に便利だ。疑問に思ったことや、不明なことをすぐに検索し、調べることができるし、メールボックスにも最新情報がどんどん入ってくる。取材した後、原稿や、取材先で得た新しい情報を即座にニュースセンターに送ることもできる。そして何より、 Skype(スカイプ)などの通信ソフトを使えば、携帯電話なしでも業務報告ができるので、通話料を節約できるのが嬉しい。日々の積み重ねで、電話代もばかにならないのだ。
僕の場合、無線LANは初心者で、今のところオフィスでしていた仕事を、パソコンを持ち出して、外でも試しているだけだ。他にどんなことができるのだろうか。 外でネットに接続、仕事もはかどる
無線LANはパソコン以外にも使える!
公衆無線LANには大きな可能性が ライブドア・ネットワーク事業本部で公衆無線LANを担当する板井清司さんに、話を聞いてみることにした。
livedoor WirelessのAP(アクセスポイント)は、サービス開始時点で、山手線内に約2200カ所。周辺の状況によってつながりにくい場合もまだあるが、月額525円(税込、初期登録費用1050円)で、上り下りとも最大54Mbpsでネットに接続できる。
板井さんは「公衆無線LANはどこでも使えるという、空間的なメリットがまず強調されがちだが、実はこれまで移動などに費やしていた時間を、別の用途に有効利用できるというメリットがある。外出先で仕事をしたり、買い物や食事の際に店を検索するのに使うとメリットをより享受できる」と話した。
西麻布のオープンカフェで取材中、板井さんはPDA(携帯情報端末)とPSP(プレイステーション・ポータブル)でネットに接続しながら「パソコン以外にも、無線LAN対応機器は増えている。公衆無線LANはパソコンユーザーのためだけにあるんじゃないんです」とも言った。
「ほら見てください」。板井さんが操作するPSPの画面をのぞき込むと、テレビ番組を受信していた。無線LAN初心者の僕は、驚きを隠せなかった。
情報は“向こうからやって来る”
公衆無線LANには大きな可能性が では、公衆無線LANを使うと、どんなことができるのか。
すでに発売されている無線LAN対応デジタルカメラを使えば、旅行先の写真を瞬時に家族や恋人に届けることができる。IP携帯電話は、通話料という概念をほとんどないものにするかもしれない。iPodなど携帯音楽プレーヤーは、現在、小さな筐体に入る曲数や容量を競っているが、無線LAN でダウンロードできれば、曲数は無限となり、容量を気にすることはなくなるだろう。
情報の集め方も変わる。板井さんによると、ライブドアでは、地図や位置情報を組み合わせたプッシュ型のサービスの提供を将来開始する予定で、現在地とそれぞれの興味に応じた適切な情報を、受けることもできる。情報は“探す”だけでなく、“向こうからやって来る”ようになる。
livedoor Wirelessは、2006年6月までにサービスエリアを東京23区6200カ所に、同12月までに1都8県6万カ所まで拡大する。現在、ほとんどのAPを電信柱に設置しているが、今後は自動販売機のほか、ビルや商業施設の屋内にも増設していく予定。
ハイテクのつもりで、自信満々に外のベンチでパソコンを使っていた自分が、少し恥ずかしくなってきた・・・。「パソコンが外でも使えて便利」ぐらいに思って始めたのだが、公衆無線LANの作る未来が楽しみになった。【了】
今回の記者 今回の記者 佐谷 恭(SATANI, Kyo)
ライブドア・ニュースセンター記者。
アマチュア無線以来、約20年ぶりの無線体験