2006年12月27日

市価の半額! “納めの市”開催

27日から29日まで開催されている薬研堀不動尊の“納めの市”では、太神楽などで来場者を楽しませている東日本橋の薬研堀不動尊で、29日まで

問屋の商品が大売出し中!――。東京・東日本橋の薬研堀不動尊で27日、年末恒例の「歳の市・大出庫市(おおでこいち)」が始まった。29日まで。

 400年以上の伝統を誇る薬研堀不動尊の「歳の市」は、江戸時代には1年を締めくくる“納めの市”として開催され賑(にぎ)わっていたが、戦後は来場者が激減し廃れた。商店街に活況を取り戻したいとの思いから、東日本橋2丁目町会が近隣の問屋に呼びかけて、在庫整理で出店してもらったのが42年前の1965年。以来、大出庫市として名をはせ、3日間の来場者が15万人に達するまでに発展した。

 ずらりと並んだ商品は、衣料品やファッション雑貨、靴などがほとんど。市価の半額程度で買えるとあって、いくつもの商品を手に取ってまとめ買いする人の姿も見られた。千葉県から来た主婦(79)は「安いから毎年来ちゃう。こんなに買っちゃった」とうれしそうに話していた。

 獅子舞や太神楽(だいかぐら)なども、来場者の目を楽しませる。薬研堀不動尊は、寄席演芸のひとつである講談の発祥地でもあり、28日午後5時から講談に使う張扇の焚(た)き上げ供養と、講談をリレー形式で披露する「辻講釈」が行われる予定(講談協会主催)。

 市の開催時間は、正午から午後8時まで。入場無料。【了】

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講談協会・パパン

身近な「いのちを守るデザイン」

広域避難所の絵文字(提供:生活工房)世田谷・生活工房で展覧会、来年1月13日から

非常口のサインや工事現場の安全標識などの絵文字を集めた「いのちを守るデザイン展」が、年明け1月13日から東京都世田谷区の世田谷文化生活情報センター「生活工房」で開催される。21日まで。

 「いのちを守るデザイン」には、災害時の誘導版など緊急時に活躍するものだけでなく、電化製品の使い方を分かりやすく表現したアイコンなど、生活に密着したものも多い。すべての人が、幸せに、豊かに暮らすために「いのちを守る」という考え方のもとに作られ、さまざまな場所で密かに活躍している。

 年齢や国籍を問わず、誰もが理解できるデザインであるべき――。同展では、このような発想の下、単に絵文字を並べるだけではなく、「いのちを守るデザイン」に関する最新の研究結果を事例を交えて紹介したり、非常口のサインを追って避難体験をするコーナーを設ける。来場者に「いま、私たちにできることは、なんでしょう」と問いかけていく。

 生活工房では、同様の展示会をシリーズで継続的に行う。2回目は、07年8月末から9月中旬頃まで、防災の日に合わせる予定だ。

 入場無料。会場時間は午前11時から午後7時まで。問い合わせは、生活工房(電話:03-5432-1543)まで。【了】

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いのちを守るデザイン展

2006年12月25日

遠くの“みんな”と写真を共有

マイクロソフトとセブン-イレブン・ジャパン、富士ゼロックスは、デジタル写真のオンラインプリントサービス「セブン-イレブン店頭プリント」の記者発表を3社合同で行った(撮影:吉川忠行)ビスタ発売を機に、セブン-イレブンで店頭プリントサービス開始

デジカメで撮った写真を、気軽に“みんな”で共有!――。マイクロソフト(東京都渋谷区、ダレン・ヒューストン社長)とセブン-イレブン・ジャパン(同千代田区、山口俊郎社長)、富士ゼロックス(同港区、有馬利男社長)は25日、2007年1月30日に発売される次世代OSウィンドウズ・ビスタ向け新サービスとして、インターネット経由のデジタル写真のオンラインプリントサービス「セブン-イレブン店頭プリント」を、ビスタ発売と同時に開始すると発表した。

 ビスタに標準搭載されるオンライン・プリント・ウィザード(OPW)を使って、自宅のパソコンでプリントしたい画像データを選択・登録すると、全国1万1500カ所にあるセブン-イレブン店舗でプリントできる。店舗での操作は、英数字8桁の「予約番号」を入力し、1枚あたり30円(Lサイズ)のプリント料金を支払うだけ。

 「予約番号」があれば誰でもプリントできるため、結婚式や旅行などで撮った写真をOPWで登録すれば、遠隔地に住む友人や家族が最寄りのセブン-イレブン店舗で写真を受け取ることも可能。予約番号をメールで送るだけで、プリントして郵便などで送る手間を省くことができる。ただし、サービス開始時点では、登録した写真をすべてプリントすることはできるが、気に入った写真だけを選んでプリントすることはできない。

 東京都千代田区の東京會舘で行われた記者発表会で、マイクロソフトの堺和夫・執行役常務は「デジカメで撮った写真をリアルのプリントで簡単に共有できる。新OSビスタは、コンピュータを使っていかに人生を楽しむか、提案していく」と、ビスタ発売と同時に始めるサービスへの期待を話した。また、セブン-イレブンの鎌田靖・執行役員は「現在、セブン-イレブンには男性客が多いが、気軽な写真プリントサービスを始めるのをきっかけに、若い女性やお年寄りが店舗に来てくれると期待したい」と、その効果を語った。【了】

2006年12月21日

マトリョーシカ展、日本橋で

多くのファンが来場、その場で購入も

24日まで、東京都中央区日本橋の「SAN-AI GALLERY」で開かれているマトリョーシカ展には55体のカラフルなロシア人形が並ぶ

ロシア人形“マトリョーシカ”を日本の芸術家がデザイン――。「マトリョーシカとグリーティングカード展」が、東京都中央区日本橋の「SAN-AI GALLERY」(サンアイ・ギャラリー)で開かれている。24日まで。

 同展では、ロシアなどで土産として有名な木製人形“マトリョーシカ”に、イラストレーターや絵画作家など18人の芸術家が色づけして、独自のデザインを追求した。マトリョーシカは入れ子構造になっており、会場には5-7体を1組とした人形が55セット置かれ、にぎやかな雰囲気を醸し出している。

 年末年始は、挨拶状や小さなプレゼントを贈り合う習慣がたけなわになる季節。「ちょっとしたプレゼントとして喜ばれそうなもの」として、マトリョーシカやカードを題材に、同ギャラリーが呼びかけて作品を集めた。マトリョーシカに描く体験は芸術家たちにも新鮮だったようで、作品を展示した段階から「またやりたい」との声が出ているという。

 同ギャラリーの佐野恵美さんは「マトリョーシカのファンだと言う人が多数訪れてくれて、驚いている。手にとって眺めてほしい」と話していた。気に入った作品はすべて、購入することができる。1セットの平均価格は1万円程度。

 同展は午前11時半から午後7時まで。23日は、午後6時まで。24日の午後3時からは、マトリョーシカの中に電子楽器の一種テルミンの機能を収めた楽器「マトリョミン」の演奏グループ「ニチェーボ!」が、クリスマスソングを奏でる予定。【了】

2006年12月20日

KDDI社長、MNP処理能力を増強

20日、経団連会館で会見する小野寺正KDDI社長受け付け停止の原因は「システムの設計ミス」

KDDI<9433>の小野寺正社長は20日、東京都千代田区の経団連会館で会見し、17日に発生したシステムによる番号ポータビリティ(MNP)の障害について「システムの設計ミスがあり、申し込みに対して処理能力が不足したのが原因」と説明。利用者やNTTドコモ<9437>、ソフトバンクモバイルにお詫びすると述べた。

 例年申し込みが集中する3月を基準に、十分な処理ができるようシステムを設計したはずだったが、特定のハードディスクにトラフィックが集中するシステム構成上のミスがあった。ソフトバンクモバイルが10月末に2日間にわたりMNP受け付けを停止した際に、システムのチェックを行ったがミスを見逃していたという。小野寺社長によると、ハードウェアの増設やデータ処理の分散により、18日以降は問題なく稼動している。また、さらに申し込みが集中する年末と春商戦向けにシステムの増強策を検討しているという。

 MNPで市場があまり動いていないのではないかとの記者からの質問に、小野寺社長は「MNPで各社が競い、市場を活性化したのは間違いないが、(MNPを利用しない)新規顧客が想定より多いのは確か。番号が変わっても構わないと考える顧客が多いのでは」と答えた。

 携帯電話の販売奨励金については「いいと思っているわけではないが、すでにビジネスモデルとして確立しており、ハイ止めますというわけにはいかない。ワンセグ携帯など高機能な商品が日本で普及しているのは奨励金があるからで、一概に悪い面ばかりではない」と話し、継続は止むを得ないとの認識を示した。【了】

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2006年12月19日

液晶TV好調、07年も伸びると予測

19日、会見する秋草直之JEITA会長JEITAが民生用電子機器の国内生産金額など発表

電子情報技術産業協会(JEITA)は19日、2006年(1月-12月)の民生用電子機器の国内生産金額が前年比6.2%増の2兆7218億円になる見込みだと発表した。サッカーワールドカップ・ドイツ大会などのスポーツイベントで薄型テレビの販売が好調だったのが奏功した。液晶テレビの伸びは特に著しく、同32.4%増の7278億円を見込む。

 デジタルカメラも7154億円で、同10%伸びる見通し。国内で「手ぶれ防止」「広角」など多機能コンパクト型の販売が堅調なほか、欧米でコンパクト型、一眼レフともに国外への出荷額も伸びている。一方で価格下落と海外生産の伸びが進んでいるポータブルオーディオプレーヤーは同83.5%減の27億円、オーディオ機能つきパソコンなどに押されているホームオーディオも、前年比49.9%減の65億円と縮小傾向にある。

 07年の見通しについて同協会は、地上波デジタル放送のエリア拡大や、テレビのフラット化がさらに促進され、06年比4.5%増の2兆8437億円になると予測している。

 同日、東京都港区の東京プリンスホテル・パークタワーで会見した秋草直之会長は「日本経済はゆるやかながら着実に回復しているといわれるが、個人消費も堅調で、回復は時間の問題」と楽観的な見通しを語った。また、中国・浙江省が品質が基準に満たないとして富士通、NEC、東芝などのノートパソコンを販売停止にした件について、「3社合同で対応すべく検討中。上海にも飛び火したと言われ、慎重に構えている」と困惑の表情を浮かべた。【了】

2006年12月18日

お呼びでない? 植木等が商品化

植木等(c) 渡辺プロダクション(提供:タカラトミー)タカラトミー、団塊世代に「昭和の空気を」

タカラトミー<7867>は18日、団塊世代に懐かしいスターのフィギュアシリーズ第1弾として、「ゴールデン☆スタア 日本一の無責任男 植木等」を2007年4月に発売すると発表した。

 植木等さんは1960年代に『スーダラ節』『ハイ、それまでよ』などのコミックソングで一世を風靡(ふうび)し、その後も俳優・コメディアンとしてさまざまな年齢層から支持を受け続けている。「お呼びでない?」などの流行語でも有名だ。パワフルで豪快に「歌って踊る」植木さんのキャラクターをフルに再現できるよう、多様なポーズを取れるフィギュアに仕上げたという。衣服の着脱も可能で、ステテコ姿から派手なスーツまで着せ替えることもできる。

 07年に大量退職を控え、“第2の人生”を開始する団塊世代に、長年パワーを与えてきた存在として、同社は植木さんのフィギュア商品化を決めたという。植木さんが公式フィギュアになるのは初めて。同社は、昭和の同時期に活躍した人物の商品化を、シリーズで今後も進めて行きたいとしている。

 サイズは1/6スケールで、価格は税込み1万3440円。「昭和の日」にあたる4月29日に、全国の玩具店や家電量販店などで発売される。【了】

2006年12月15日

進まぬ拉致認定にいら立ちも

14日、「拉致問題を考える国民の集い」を終えた後、多くの人が拉致被害者の昔の写真に見入っていた拉致問題を考えるイベント開催進む

政府が認定するかしないかでは、天と地ほどの差がある――。国が今年6月に定めた北朝鮮人権侵害問題啓発週間(10日-16日)の今週、政府やNGOが北朝鮮による拉致問題を考えるイベントを多数開いている。民間団体「特定失踪者問題調査会」が拉致された疑いを否定できないとする行方不明者のリストは約460人に上るのに対し、政府が15日現在で“認定”している拉致被害者はわずか17人。北朝鮮による拉致が国際的に広がりを持っていることが明らかにされてきた昨今、特定失踪者を拉致被害者として“認定”し、北朝鮮の国家犯罪を早期に解決して欲しいという声が相次いだ。

 調査会がリストに挙げている460人のうち、何人が北朝鮮に連れ去られたかは明白ではない。13日に拉致被害者家族会などが主催した国際会議で、脱北者で元北朝鮮工作員とされる安明進氏は「金正日の命令で、日本人の拉致は1970年代に本格化した。工作員ができるだけ多くの日本人を拉致し、日本においてだけでは足りず、海外に出て拉致しなければならなかったほど」と証言し、拉致被害者の数の多さを示唆した。拉致議連の古屋圭司事務局長は同国際会議で、認定が「天と地ほどの差」を生むと指摘。家族の希望のためにも、認定に向けて作業を進めて欲しいという主旨のことを述べた。

 調査会の荒木和博代表は「政府の認定のペースが遅すぎる」といら立ちを隠さない。12日のシンポジウムでは、「政府だけでなくマスコミのみなさんが、どんどん“認定”してくれませんか」と懇願。“NHK認定”“テレビ朝日認定”などとたくさんの“認定”を出すことで、認定者数よりもたくさんの被害者がいると(一般の人にも)分かってもらえるのではないかという真剣なアイデアを披露した。

 特定失踪者を“認定”してもらいたい家族や支援団体の思いには、明るい“光”も見えてきている。

 東京都の石原慎太郎都知事は18日まで開催されている「拉致被害者、特定失踪者、救出運動」写真・パネル展の視察時に「都でもう一度事件を洗い直し、認定できる被害者について国に伝えるのが都の責任でもある」と決意を語った。

 12日に北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会などが開いたシンポジウムで、斎賀富美子・人権担当大使は政府認定の被害者のほかに「30数人の方が北朝鮮に拉致された可能性が高い」と話した。これは政府関係者が公式の場で、認定者以外の拉致被害者の存在を具体的な人数とともに初めて言及したと話題になった。安倍晋三首相も14日、政府主催の集会で、認定者以外も含めてすべての拉致被害者を救出するのが使命だと断言した。

 啓発週間は、16日まで。最終日の明日は、ワシントンDCらち連絡会「ReACH」や関連NGOによる「拉致被害者を救出するための日米同時集会」が国内各地で開催され、拉致被害の深刻さについて街頭で訴える予定だ。【了】

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2006年12月14日

横田さん夫妻「皆で助けよう」

14日、拉致問題に関する政府主催の集いで講演する横田めぐみさんの両親・滋さんと早紀江さん政府主催の拉致問題の集いで講演

北朝鮮に拉致された横田めぐみさん(失踪当時13歳)の両親・滋さんと早紀江さんが14日、東京都千代田区の日比谷公会堂で政府が主催し開かれた「拉致問題を考える国民の集い」で講演し、めぐみさんが行方不明になった日からこれまでの出来事を報告。同時にめぐみさんへの熱い思いを語った。

 日比谷公会堂で拉致問題に関する集会を開くのは11回目という滋さんは、「最初のときは参加者も少なく、国会議員の出席など考えられなかった。今では拉致問題の対策本部もあって強力な布陣が敷かれているし、初めて政府主催の場で講演できる」と満員の観客を前に感慨深げに語った。めぐみさんの消息を探した30年から拉致問題の進展を振り返った一方で、小泉純一郎首相の2度の訪朝で北朝鮮が“生存”と認めた拉致被害者とその家族は帰国を果たしたものの、“死亡”とされた人の状況は、その後全く変わっていないといら立ちを露わにした。

 早紀江さんは「拉致は、平和に見える日本の中で、誰の身に起きたか分からないおぞましいもの。話を聞いている方が、話をする立場になったかもしれない大事件です」と涙ながらに訴えた。また、今なお北朝鮮に幽閉されている人が助けが来ることを信じているとも述べ、「日本中の人が力と心を合わせて、絶対に助けようという気持ちになることを信じています」と語った。

 横田さん夫妻は、拉致問題が日本や韓国のみならず、世界各地で起きていることを確認。日本だけでなくすべての拉致被害者が解放されるとともに、北朝鮮で罪なき人びとが虐待され、強制労働をさせられていることをやめさせるべきだと聴衆に訴えた。【了】

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首相「拉致解決は全員帰国で」

14日、「拉致問題を考える国民の集い」で、聴衆の拍手に応える安倍晋三首相「拉致問題を考える国民の集い」であいさつ

安倍晋三首相は14日、東京都千代田区の日比谷公会堂で開かれた「拉致問題を考える国民の集い」(法務省人権擁護局など主催)であいさつし、「政府が拉致被害者と認定した17人以外にも拉致された方がいるかもしれない。(現時点で拉致されたかどうか不明な人も含めて)すべての被害者の帰国が実現して初めて、拉致問題は解決したと言える」と拉致問題に対する決意を改めて表明した。

 さらに、安倍首相は、拉致問題を内閣の重要課題として位置づけていると述べ、世界での認知が高まるよう努力していると強調。「世界の国々から北朝鮮に対する圧力は高まっている。核、ミサイルのほか拉致問題を解決しなければ、決して国際社会から受け入れられないことを認識してもらわねばならない」と、北朝鮮の政治姿勢に警告を発した。【了】

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2006年12月13日

北朝鮮拉致、12カ国でと報告

13日、拉致被害に関する国際会議にビデオメッセージを寄せたチャールズ・ジェンキンスさん具体的証言も次々明らかに

日韓の拉致被害者の家族や拉致の可能性が明らかになったタイ人女性の家族らが参加した初の国際会議「北朝鮮による国際的拉致の実態と解決策」(拉致被害者家族会など主催)が13日、東京都千代田区の都市センターホテルで開かれた。

 自民党の中川昭一政調会長はあいさつの中で「日本政府は“対話と圧力”の両方が必要と言っているが、対話の道は(北朝鮮により)一方的に閉ざされている。拉致被害者の判明している関係国だけでなく、世界中の世論を盛り上げることが北朝鮮に対する大きな圧力になる」と話し、拉致問題解決への期待を表明した。

 会議にメッセージを送った韓国人女優の崔銀姫(チェ・ウニ)さんは、北朝鮮滞在中にマカオで拉致された中国人と姉妹のような交流をしていたことを証言。その女性がマカオで観光案内中に連れて行かれ、北朝鮮にあるインドネシア大使館に保護を求めて駆け込んだことがあると聞いたなどと、具体的な証言を提示した。

 また、曽我ひとみさんの夫チャールズ・ジェンキンスさんもビデオメッセージを寄せ、北朝鮮でタイ人の女性に会ったことがあると証言した。会議の主催者らはこれを受け、その証言が拉致の可能性があるタイ人女性の家族からの情報と一致していると説明した。また、ジェンキンスさんと同じ境遇の脱走米兵が3人おり、その妻は全員、ルーマニア人などの拉致被害者だったことを明かした。

 同会議では、現在のところ世界12カ国で北朝鮮による拉致犯罪があったと報告された。救う会の西岡力常任副会長によると、拉致の疑いがあることに対して、タイ政府は「交渉をすでにしている」、ルーマニア政府は「調査依頼中」と回答した。なお、安倍晋三首相が10月の訪中で拉致被害者について尋ねたところ、中国の温家宝首相は「確認されていない」と答えたという。【了】

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拉致50人以上、脱北者130人

2006年12月12日

拉致50人以上、脱北者130人

12日、認定者以外の拉致被害者について言及した斎賀富美子・人権担当大使「北朝鮮人権侵害問題啓発週間国際シンポジウム」での報告

拉致や強制収容所など北朝鮮の人権侵害問題について話す「北朝鮮人権侵害問題啓発週間国際シンポジウム」が12日、東京都新宿区の国際協力機構(JICA)国際協力総合研修所で開かれ、日本からの拉致被害者は50人以上、北朝鮮を脱出して日本に滞在している脱北者の数は130人程度いることが報告により明らかにされた。

 同シンポジウムで基調講演した斎賀富美子・人権担当大使は「12件17人が政府に拉致被害者として認定されているが、そのほかにも30数人の方が北朝鮮に拉致された可能性が高い」と、認定した拉致被害者以外の存在に公式の場で初めて言及。また、特定失踪者問題調査会の荒木和博代表は「30数人とは、日朝政府間協議(今年2月)で外務省が調査を要求した特定失踪者など36人のことと思われる」と話し、すでに認定されている拉致被害者とあわせると、合計53人に上ることになる。

 さらに、「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」の山田文明代表など複数の出席者が、日本に到達した脱北者数について言及。山田代表が130人と報告したほか、脱北者支援民団センターの呂健二代表は「推定104人とされているが、偽造パスポートを使って中国の朝鮮族などになりすまして入国している者もおり、日本政府は把握しきれていないだろう」と述べた。【了】

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もっといる拉致被害者

12日、都内で開かれた「北朝鮮人権大使サミット」で基調講演を行う斎賀・北朝鮮人権大使斎賀・人権担当大使、基調講演で言及

斎賀富美子・人権担当大使は12日、東京都新宿区の国際協力機構(JICA)国際会議場で始まった北朝鮮脱出住民(脱北者)の受け入れや拉致、強制収容所などの人権侵害問題について討論する「北朝鮮人権大使サミット」で基調講演し、「12件17人が政府に拉致被害者として認定されているが、そのほかにも30数人の方が北朝鮮に拉致された可能性が高いと考えられている」と発言した。

 政府関係者が公の場所でこれだけの拉致被害者数に言及するのは初めて。【了】

難民ルール、状況との矛盾

ビルマ出身の難民コリンズさん、体験を語る

ビルマ(ミャンマー)出身の民主活動家マイケル・コリンズさん(仮名)が11日、上智大学世界食料デーグループが主催する講演会に出席し、日本で難民として生活する苦労などを語った。

 コリンズさんは、「政治や宗教など、さまざまな理由で追いつめられて国を離れたのが難民。迫害を逃れるために正規の方法以外で国から国へ移動せざるをえない場合も多い」と話し、難民の立場にある人の複雑な事情を説明した。

 その上で、パスポートや外国人登録証明書など多くの書類を求められる日本の難民政策の現状を"壁が厚い"と表現。「難民申請のインタビューのときに、ビルマ人であることを証明するよう要求され、本国から住民登録証を取り寄せろと言われ困った。それができれば難民じゃない」と述べ、難民政策と難民の状況との矛盾を指摘した。また、難民として認定された後も在留特別許可を定期的に更新しなければならない日本独自の難民に関するルールに言及し、手続きの複雑さを嘆いた。

 自らが本国で受けた迫害について述べようとして、うっすらと涙を浮かべ、声を詰まらせる場面も。コリンズさんは目の前にいる仲間が殺されたことが脳裏に焼きついており、「拷問されても生きている自分はラッキーだ」と感じているという。実弟が刑務所で風邪をひいた際に、HIV感染した血液を輸血されて"殺された"辛い記憶も告白。「民主化活動家としてミャンマー政府からマークされている自分が、友人や家族に連絡を取ったことが(同政府に)分かると、彼らの生活が脅かされる」とし、恐怖心が今でも残っていると訴えた。【了】

2006年12月 8日

六本木に世界中のモネが集結

07年4月からの「大回顧展 モネ―印象派の巨匠、その遺産」を監修している美術史家の高階秀爾さん。後ろは、スクリーンに写されたモネの『日傘の女性』。国立新美術館が記者発表会

2007年1月21日にオープンする国立新美術館(東京・六本木、林田英樹館長)は8日、開館記念展の第2弾となる「大回顧展 モネ―印象派の巨匠、その遺産」の記者発表会を開いた。

 同展では、印象派の巨匠として知られるフランスの画家クロード・モネ(1840-1926)の作品を、仏オルセー美術館や米ボストン美術館、個人のコレクターなど国内外から約100点を集める。モネの作品を「印象」「構図」「連作」など5つのカテゴリーに分けて展示するほか、モネに影響を受けた20世紀美術の作品を20点並べ、モネの“遺産”がどう受け継がれ、発展しているかを検証する。

 同展を監修した美術史家の高階秀爾さんは「モネは知名度が高いがゆえに、作品が世界に広がってしまっている。初期から晩年までの作品や、モネに影響を受けたとされる作品を一カ所に集め、モネの全貌が分かる展覧会にしたいと思う」と、モネ展にかける思いを語った。

 同展は、2007年4月7日から7月2日まで。5月1日を除く火曜日は休館。開館時間は午前10時から午後6時まで。金曜日のみ、午後8時まで。入場は一般1500円(前売り1200円)、大学生1200円(同1000円)、高校生800円(同600円)、中学生以下は無料。開催期間中、同美術館3階のブラッスリー(軽食喫茶)では、モネが好きだった「ガトーショコラ」などのデザートを食べられる。【了】

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2006年12月 7日

総連は在日を代表していない

北朝鮮人権週間についての記者会見に出席した家族会の増元照明・事務局長北朝鮮問題に取り組むNGO7団体が記者会見

「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(家族会、横田滋代表)などのNGO7団体は7日、東京都千代田区の衆議院第2議員会館で記者会見し、12月10日-16日の「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」(北朝鮮人権週間)に合わせて行うシンポジウムなどの企画の概要を発表した。

 北朝鮮人権週間は、6月に施行された北朝鮮人権法に基づいて実施されるもので、国や地方自治体が北朝鮮による拉致などの人権侵害問題の啓発に努めると定められている。法務省が14日に「拉致問題を考える国民の集い」を日比谷公会堂(東京都千代田区)で開くほか、自治体なども連絡窓口を設けるなどしている。

 家族会の増元照明・事務局長は「今すべきことは、北朝鮮の金正日政権に対して厳しい視線を向けること。7月の北朝鮮によるミサイル実験を受けて日本政府が決めた貨客船“万景峰号”の日本の港湾への入港禁止について、朝鮮総連は人道的な問題としているが、自分たちの権利だけでなく、お互いの人権について考えるべきだ」と話した。

 また、「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」の三浦小太郎・事務局長は、「朝鮮総連はすでに在日の方々のための団体ではなく、北朝鮮政府の命令で動いている団体だ。北朝鮮に家族がいる一般の在日朝鮮人も、制裁をやむをえないと支持してくれており、朝鮮総連の発言や行動は在日の良識派を代表するものではない」と強く訴えた。【了】

9日 午後6時講演会「どこへ行く北朝鮮 ―最近の動向」 食糧会館(東京都千代田区)
10日 午前10時シンポジウム「映像とシンポで語る北朝鮮」彩の国さいたま芸術劇場(埼玉県さいたま市)
12日 午前9時半国際会議「北朝鮮人権大使サミット」JICA国際協力総合研修所(東京都新宿区)
13日 午前9時半国際会議「北朝鮮による国際的拉致の実態と解決策」都市センターホテル(東京都新宿区)
13日 午後7時集会「北朝鮮政治犯収容所の解体に向けて」星稜会館(東京都千代田区)
16日 午前10時拉致救出・日米同時集会各地
16日 午前10時北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」公開録音陸上自衛隊広報センター(東京都練馬区)
12-18日写真展「拉致被害者、特定失踪者、救出運動」東京都庁(東京都新宿区)

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2006年12月 6日

同行者が語る、井上靖の功績

シルクロード関連の講演で井上靖氏について話した写真家の大塚清吾さん(右)と、井上氏長女の浦城幾世さん写真家の大塚清吾さん、日大で講演し秘話披露

まだシルクロードが全く未知の場所だった27年前、NHK取材班や作家の井上靖氏らと同地を旅した写真家の大塚清吾さん(60)が6日、東京都世田谷区の日本大学文理学部で講演し、井上さんとの思い出などを語った。25日まで同学部で開かれているシルクロードに関する展示会の一環として、“シルクロード探検”の体験者の大塚さんが講師に招かれた。

 大塚さんは、井上氏が気持ちのはやる取材班に対して、「今日はいい顔をした仏様の近くで、ゆっくり休みましょう」「ここに立つことに意味があるんですよ」などと冷静さを取り戻させたエピソードを紹介。同行した学者がデータ収集や分析との照会だけを急ぐ中、多くのシルクロード関連の小説を訪問以前に文献のみによって書いた井上氏は、一つひとつの場所をかみしめながら回ったという。

 また、一連のシルクロード取材のためにNHKが莫大な費用を中国政府に支払ったという秘話を明かし、「他国のテレビ局も取材のためにより多くの金額を支払う準備をしていたようだ。しかし、シルクロード小説で名高い井上先生に対する中国政府の信頼が厚く、歴史的なドキュメンタリーの作成に日本が関わることができた」と、体験を感慨深げに語った。

 同講演には、井上氏の長女・浦城幾世さんも聴講に来ていた。浦城さんは「大塚さんが写真や書籍で、父のことを伝えてくれて嬉しい。少しでも多くの人が、父について知ってくれれば」と語り、謝辞を述べた。【了】

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シルクロード、それぞれの“夢”

シルクロード、それぞれの“夢”

日大文理学部で開かれているシルクロード展では、大きな衛星写真が敷かれており、東の終着地の奈良・正倉院からシルクロードを経由して、西の終着地ローマまで“走破”できる日大文理学部で大型展示展を開催

シルクロードの自然環境や生活、文化についての大型展示会「シルクロードの風・水・人 ―日本に至る遥かな道―」(日本大学文理学部主催)が、同学部の百周年記念館で開かれている。25日まで。

 同展では、シルクロードに関する作品で有名な作家の井上靖(1907-91)さんが遺した同地訪問時のメモや写真などの資料のほか、長江中流域の黄土やタクラマカン砂漠の砂、天山山脈の氷河から流れた泥なども並べられている。また、食べ物や民芸品の紹介から同学部の研究者による環境問題の考察まで、幅広い分野のパネル展示があり、さまざまな角度からシルクロードを垣間見ることができる。

 また、会場では縦14メートル、横34メートルのアジア・ヨーロッパ地域の衛星写真が、来場客を圧倒していた。地図上の案内に従って、東の終着地の奈良・正倉院からシルクロードを経由して、西の終着地ローマまで“走破”することもできる。地図を作成した日本地図センターの百成了一さんは「シルクロードの壮大さが実感できますよ」と話していた。

 同学部3年生の女子学生らは、環境問題や国際協力などへの関心から同展に来たといい、「乾燥したイメージしかない未知の土地だが、機会があれば行ってみたい」と夢を語った。会社員の男性(37)は、「数年前に訪れた懐かしの地。井上靖の書籍や沢木耕太郎の『深夜特急』で感じたロマンを味わいに来た」と目を輝かした。また、近所に住むという77歳の男性は、「そんな遠くまで行こうとは思わないが、珍しい景色を見るよい機会だと思って」と話し、展示された写真をじっと見入っていた。

 開場時間は午前10時から午後5時まで。入場無料。【了】

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2006年12月 5日

MS、難民支援のブログ立ち上げ

子どもの難民900万人の認知高める狙い

マイクロソフト(MS、東京都渋谷区、ダレン・ヒューストン社長)は5日、子どもの難民を支援するプロジェクト「ninemillion.org」公式ブログの日本語版をプレオープンしたと発表した。

 同プロジェクトは、世界で900万人いるとされる子どもの難民に教育やスポーツの機会を与えることを目的として、米MS本社とナイキ、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、カナダのNGO「Right to Play」が、2006年6月20日(世界難民の日)に立ち上げたもの。サイトを通じて認知を向上させ、世界中からの寄付を集める試みをしている。

 MS日本法人は、同サイトの英語版ブログの和訳を終えたため、プレオープンとした。07年初めに正式にオープンし、「ninemillion.org」の日本人による活動など、日本人向けコンテンツを追加していく。同社はMSNやWindows Liveのバナー広告などのほか、7日から開始する「MSN Hotmail グリーティングカードキャンペーン」で、ブラジルのサッカー選手ロナウドと子ども難民のカードを期間限定で提供し、プロジェクトの宣伝をする。【了】

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利益追求と合致するCSRを(12/4)
人道支援から平和を考える(8/16-18)

■関連リンク
「ninemillion.org」公式ブログ(日本語版)
ninemillion.org 公式サイト
(12/7オープン)

レノボ、“赤入れ”可能なPC発表

レノボが5日に発表したタブレットPC「Think Pad X60 Tablet」。指などで操作できるほか、本体の向きを変えると自動的に表示画面の向きも変わるスタイラスでも指でも操作可能

レノボ・ジャパン(東京都港区、天野総太郎社長)は5日、キーボードを使わずに、指などで画面を触って操作できるB5サイズのタブレットPC「Think Pad X60 Tablet」を発表した。中規模企業以上向けのモデルで、12月下旬に出荷を開始する。

 スタイラス(タッチパネル操作用のペン状の棒)による電磁誘導方式で、画面上にすばやく、正確に文字を記入できる。あわせて低反射のタッチパネルを搭載して指先での操作も可能にしたほか、野外光の反射を抑えられるため、屋外での視認性が向上した。また、本体の向きを変えると自動的に表示画面の向きも変わる「アクティブ・ローテーション」をアプリケーションとして実装しており、ユーザーは常に適切な角度で画面を見られる。

 同日開いた新製品発表会で、同社の石田聡子執行役員は「外出先や会議の席など、キーボードを打てない環境でも使いやすい自然なインターフェースを実現した。思いついたことをさっとメモしたり、ワードやエクセルなどを印刷せずに“赤入れ”校正することもでき、PCの用途が飛躍的に広がる」とタブレットPCへの期待を語った。

 販売価格は、税込みで26万1450円を予定している。【了】

2006年12月 4日

利益追求と合致するCSRを

4日、シンポジウム「人道支援と企業のCSR」で基調講演するアントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官グテーレス国連難民高等弁務官の来日記念シンポジウム開かれる

元ポルトガル首相のアントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官の来日を記念したシンポジウム「人道支援と企業のCSR」(ジャパン・プラットフォームなど主催)が4日、東京・渋谷のUNハウス(国連大学ビル)で開かれた。

 基調講演でグテーレス氏は、国連や国家だけが世の中を動かす時代ではないと前置きし、国際協力分野での民間企業などの活躍に期待感を示した。また、自らが担う難民問題について「難民はよりよい住みかを求めて移動すると思っている人もいるが、そうではない。難民は故郷に帰還したいのだ」などと話し、国際問題に関する企業の正しい理解と、それに基づく支援を求めた。

 シンポジウムでは企業の担当者らが発言。企業の成長に伴って地域や世界への貢献を考えたり、「できることをしたい」という顧客からの要望に応えるために、経営資源を社会貢献に有効利用する事例が紹介された。ユニクロ執行役員の新田幸弘CSRチーム部長は、「製造拠点や店舗を世界展開しているので、被災地などに必要なときに必要なものを提供できる」と、“グローバル企業としての強み”を話した。難民救済への貢献を称えるナンセン賞を、今年7月に日本人として初めて受賞した富士メガネの金井昭雄会長は「国連機関やNGOからミッションに必要な手続きやニーズに関する情報などをもらって初めて、ヒト、モノ、カネの支援を活かすことができる」と、連携の重要性について語った。

 一方で、企業が行う支援活動が現地のニーズに合っているかや、アプローチしてくるNGOが信頼できるかなどについて不安が残るという意見も。国際緊急援助におけるNGO、経済界、政府の連携組織であるジャパン・プラットフォームなどの調整が役立ったとの声もあったが、支援に必要な情報が適切に伝わるかどうかが、今後の企業CSRが活発になるかを左右しそうだ。

 また、“無償”“使命感”だけでは、企業の利益追求と矛盾する。大和証券グループ本社の金田晃一CSR室次長は「マーケットベースでの人道支援も考えていく必要がある。“搾取”と誤解されないために、(企業活動の)情報開示とコミュニケーションが重要となる」とし、市場を通じた課題の解決能力がCSRのあり方を変えうるとの考えを述べた。【了】

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2006年12月 1日

国連加盟50年記念でイベント

安倍晋三首相夫人の昭恵さん(右から3人目)と幸田シャーミン・国連広報センター所長(右から2人目)と一緒に写真撮影する現役の日本人国連職員ら六本木ヒルズに安倍首相夫人も応援に

国連広報センターは1日、今月18日に日本が国連に加盟してちょうど50年経つことを記念して制作したビデオ「日本と国連の50年 世界で働く日本人国連職員」の上映を、六本木ヒルズや表参道ヒルズなどで始めた。

 同日夕、上映スタートを記念したオープニング・イベントを、六本木ヒルズアリーナで開催され、安倍晋三首相夫人の昭恵さんや青年海外協力隊の創設に尽力した海部俊樹元首相、各国大使などがお祝いに駆けつけた。

 日本人初の国連職員だった明石康・元国連事務次長は、米国留学中に日本が国連に加盟し、偶然その日に国連を見学していたエピソードなどを展開。「つらく苦しいことも確かにあったが、日本の平和憲法と国連憲章には全く矛盾がなく、約40年の間、自信を持って仕事ができた」と思い出を語った。また、「日本人がもっと国連で活躍してほしい」と若い世代にエールを送り、「国連に失望することはこれまでもあったし、これからもあるだろう。しかし、国連に絶望することがあってはならない」と話した。

 会場には、現役の日本人国連職員らも参集し、自らの体験談を披露。「豊かな国に生まれた恩返しをしようと思って国連職員になった」「自分のできることをしようと思い、ボランティアを始めたのがきっかけ」などと国連に入った経緯などを説明。「成果の見えにくい仕事だが、人間と向き合い、仕事を積み重ねることである日突然やっていて良かったと思う日が来るのが魅力」などと“やりがい”について語っていた。

 同ビデオの上映は18日まで。各スクリーンで、1日44回上映される。【了】

JICA緒方氏「動く“巨人”に」

1日、日本外国特派員協会で講演するJICAの緒方貞子理事長(撮影:吉川忠行)日本外国特派員協会で講演

国際協力機構(JICA)の緒方貞子理事長(79)は1日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で講演し、国際協力銀行(JBIC)の円借款業務などを移管して2008年に誕生する“新JICA”について、「統合でより効果的で、決断の早い組織を作る。日本は“ODAの巨人”と言われているが、ただ立っているだけの巨人でなく、効果的に動ける巨人になる」と決意を述べた。

 緒方氏は、「グローバル化によって、犯罪や病気などの脅威などが国境を越えてやって来る。国家がすべてを管理するというやり方はもはや通用せず、国境を越えた協力が必要となる」と話し、ODA(政府開発援助)がこれまで以上に重要になるとの認識を示した。ODA予算が減っていることについては、「支援の結果は(日本国民に)直接返ってくるわけではないので優先度が低いとされているが、国際協力、開発援助を続けていくことが大事」と語った。

 “新JICA”ではグローバルな発展に貢献できるシンクタンク機能を担えるよう、研究や研修機関を改善したいとの意向を話した。また、意欲のある若者やスキルを持つシニアの力を発展途上国で生かす試みも続けているといい、「日本人はまだ国内ばかりを見ている人が多い。グローバルに物事をみてほしい」と国際協力に関心を持つことを訴えた。【了】