2005年12月 8日

シリーズ・トップに聞く 第14回 ネットプライス 佐藤輝英社長(後編)

「成長こそ、究極の社会貢献」

05年9月期連結決算で初めて売上高が100億円を超えた、インターネット通販のネットプライス<3328>は、来期も50%近い成長を見込んでいる。共同購入型のネットショッピングで小売のあり方を変えていきたいという佐藤輝英社長に、創業の経緯や社会貢献に対する考え方などを聞いた。

前編はこちら

―― 前期(05年9月期)の業績は?

 売上高が106億円。創業以来初めて100億円を超えた。ウェブ経由で50億円、モバイル経由で50億円と、バランスよく販売している。

―― 今期(06年9月期)の業績予想と今後の方針は?

 今期は売上高150億円を予定している。ウェブとモバイルが半々。モノの販売がビジネスの最終形なので、商品の調達の幅や客層の拡大、売り場(店舗)の拡大を軸として、ビジネスモデルの基盤ができてきたので、これからは拡大する時期にある。

 中長期的には、小売をネットを使って変えていきたい。ネットのバリューを小売に付加し、今まで消費者になかったもの、なかった価値、なかった買い方を提供する。

 ギャザリングという売り方を「業態」にしたい。「業態」というのは、百貨店、スーパー、コンビニ、100円ショップ、専門店、カタログ通販など。業態を作った会社は、業態の中でのルールを作れるし、ルールメーカーには先行者メリットもある。当社はネット小売、もっと突き詰めれば、ギャザリングを1つの「業態」にまで仕上げたいと思っている。

 売上高100億円では業態と呼べる規模ではない。当社の中期の目標は、売上高1000億円。向こう5-10年ぐらいの期間で達成し、当社のビジネスモデルを基に、ギャザリングを小売の1つの「業態」にしたい。

――どのような形での社会貢献を考えていますか?

 企業が成長すること自体が一番の社会貢献。雇用拡大など、企業が新しいバリューを提供し続けることで、その周辺のビジネスも拡張する。今まで商品を作っていなかった企業が商品を作ることになるかもしれない。そういう意味で、企業成長自体が、社会にいい影響をもたらすと思う。

 成長するのは、変化に対応しているから。変化に対応できない企業は衰退する。成長こそ、究極の社会貢献であり、企業の経営者としては企業を成長させることがミッションだと考えている。【了】

【会社概要】

商号株式会社ネットプライス

創業

1999年11月
上場2004年6月(東証マザーズ上場)
証券コード 3328
資本金11億1243万円
売上高106億5500万円(05年9月期連結)
代表取締役社長佐藤輝英(さとう・てるひで)
従業員数234人(05年9月末連結)
本社東京都渋谷区恵比寿1-19-19
恵比寿ビジネスタワー17F
電話番号03-5739-3360(代表)
URL http://www.netprice.co.jp/

インタビュー内容を動画でご覧いただけます。

シリーズ・トップに聞く 第14回 ネットプライス 佐藤輝英社長(前編)

「スピード感こそが、今の消費の傾向」

05年9月期連結決算で初めて売上高が100億円を超えた、インターネット通販のネットプライス<3328>は、来期も50%近い成長を見込んでいる。共同購入型のネットショッピングで小売のあり方を変えていきたいという佐藤輝英社長に、創業の経緯や社会貢献に対する考え方などを聞いた。

―― 会社の概要は?

 モバイルを含むインターネット上でのコマースサービス、わかりやすく言えば物販を行う会社。ネットのユーザーをひとつの場所に集約するギャザリングというサービスを軸としたEコマースのサービスを展開している。オークションは人が集まると値段が上がるが、ギャザリングというモデルは人が集まると安くなるという共同購入型のネットショッピング。

―― 創業の経緯と沿革は?

 大学時代、インターネットでビジネスをしたいと思った。1年のときにネットに出合い、当初はホームページ作成などをアルバイトとしてやった。そろそろネットが商売になるということで、アメリカのビジネスモデルを調べる中、Eコマースが市場として大きいだろうと感じた。大学4年の時からソフトバンク<9984>に出入りして、米国のネットビジネスを日本に持ち込む仕事をしていたとき、自分で事業を作りたいと思ったのが、この事業を始めた経緯。

 広告があり、コンテンツがあり、Eコマースというのはネットの稼ぎ方として最後にくる波ですが、私は対消費者向けの仕掛け、商売という言葉で語られるモノのやりとりをしたくて、Eコマースを自分の分野にしようと決めた。対消費者で、ネットならではの小売サービスを提供しようと考えて事業を作ってきた。

 設立当時は、事業モデルも、信用も、人もなく、小売もやったことがなかったので、いろいろな関門があった。基本的に重視してきたのは、顧客に何ができるか、顧客から何を求められているかを、常に感じ取りながら、売り場を作り、商品をそろえ、商品価格を決めること。それができれば、スピードの差はあるにしても、着実に積み上げられるという実感がある。

 また、幸いモバイルインターネットの波が1999年-2000年に訪れ、それまでネットに触れたことさえなかった層までが、モバイルを通じてインターネットに入るようになった。当社はモバイルとウェブ両方のビジネスをしているが、モバイルでも非常に多くものが売れている。ネット環境、モバイル普及の伸びやブロードバンドの波に乗れたことで、非常に恵まれた環境でビジネスを立ち上げることができた。

―― 特長と強みは?

 1つはギャザリングという当社のみが展開するモデル。小売という観点で、ユーザーを集めることでメーカーや問屋から安く商品を仕入れ、お客様に安く売ることを本業として展開している。このモデルはネットがないとそんなに急ピッチにできない。

 もう1つは、ユーザーが集まる参加型のモデルなので、「こんなものが欲しい」「あんなものをギャザーしてほしい」というお客様の声をメーカーに伝えることができる。お客様の要望を反映した商品を作ってもらったり、仕様を変えてもらったり、顧客の声を非常に反映しやすいビジネスモデルになっている。

 基本的に毎週、商品を入れ替えている。つまり、年間52回、商品が入れ替わる。それだけ在庫が回転する小売業は日本に存在しない。このスピード感こそが、今の消費の傾向であり、ネットだからこそできることでもあるため、メーカー、問屋が当社のビジネスモデルに注目しているのだと思う。(つづく)

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【会社概要】

商号株式会社ネットプライス

創業

1999年11月
上場2004年6月(東証マザーズ上場)
証券コード 3328
資本金11億1243万円
売上高106億5500万円(05年9月期連結)
代表取締役社長佐藤輝英(さとう・てるひで)
従業員数234人(05年9月末連結)
本社東京都渋谷区恵比寿1-19-19
恵比寿ビジネスタワー17F
電話番号03-5739-3360(代表)
URL http://www.netprice.co.jp/

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2005年11月24日

シリーズ・トップに聞く 第13回 バルス 髙島郁夫社長

「豊かな時間とか空間を提供できるのが強み」

balstksm.jpgインテリア・雑貨小売のバルス<2738> は、住空間を構成する家具や雑貨を、横断的に顧客に提供する「ホームファーニッシング」というスタイルで、インテリア関連ショップを展開している。家具メーカーから独立し、デザインでビジネスを拡大していきたいという髙島郁夫社長に同社の戦略などを聞いた。

―― 会社の概要は?

 当社はいわゆるホームファーニッシングという小売の業態。もっと簡単に言えばインテリアショップを展開している。マーケットのピラミッドと言うか、ハイエンド(最高級品)の「AGITO(アジト)」という業態からわりとベターゾーン(中上級品)の「franc franc(フランフラン)」まで、4業態を中心に展開している。

 現在、フランフラン80店舗、アジト1店舗。アッパーミドル向けの業態「バルス東京」を2店舗オープンしたが、今後、国内で10店舗、海外で20店舗ぐらい展開しようと考えている。

―― 創業の経緯と沿革は?

 1990年に創業。92年にフランフラン1号店が、天王洲アイル(東京都品川区)でスタートし、粛々と店舗を増やしてきた。

 もともと私は家具メーカーにいて、当社を家具メーカーの新規事業として始めた。96年にMBO(経営陣による自社買収)し、独立。2002年にジャスダック上場、今年2月に東証(2部)に上場した。

―― 特長と強みは?

 小売業だが、マーケティング主体になっているブランドというような意識をしている。従来のインテリアショップと扱っているもの自体はそれほど変わらないかもしれないが、商品、店舗、サービスの開発を、ブランドを意識してマーケティングを行っている。例えばフランフランでは、家具やマグカップを売っているが、付加価値をお客さんに認めてもらうことが大事。

―― 前期(05年1月期)の業績は?

 売上高が約185億円、経常利益が約11億円。

―― 今期(06年1月期)の業績予想と今後の方針は?

 今期は売上高が220-30億円で、経常利益は13-14億円ぐらいの予定。3年ぐらい後に小売ベースで、500億円の売り上げを目標にしている。

―― どのような形での社会貢献を考えていますか?

 基本的にモノを店で売っているわけだが、豊かな暮らし、豊かな文化を提供していることが、当社の社会貢献。日本の住環境は世界的に見れば非常に貧弱で、終戦後に洋風化が始まって約60年しか経っていない。現在は、日本人がもともと持つカルチャーと、洋風化したものを受け入れるカルチャーをミックスして、ようやく自分たちの暮らしが形作られてきたというところにある。

 家具で言えば、従来型の家具屋ではなく、当社のようなライフスタイル型の店舗で買う人が増え、お客様が自分たちのライフスタイルを重要視し始めた時代ともいえる。こうした暮らしを広めることが一番の社会貢献だと思う。ものを食べたり、寝たりする時間が、くつろぎや楽しさに置き換わっていくことが大事と思う。豊かな時間とか空間を提供できるのがわれわれの強みだし、一番の社会貢献だと考えている。【了】

【会社概要】

商号株式会社バルス

創業

1990年7月
上場2002年7月(ジャスダック上場)
2005年2月(東証2部上場)
証券コード 2738
資本金14億7774万円(05年10月末現在)
売上高189億9411万円(05年1月期連結)
代表取締役社長髙島郁夫(たかしま・ふみお)
従業員数209人(05年1月末)
本社東京都渋谷区神南1-19-4
電話番号03-5459-7500(代表)
URL http://www.bals.co.jp/

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■バックナンバー
ウインテスト 奈良彰治社長
21LADY 広野道子社長
ウィズ 横井昭裕社長
アドバックス 齊藤大社長
サンコーテクノ 洞下実社長
鉄人化計画 日野洋一社長
メディビック 橋本康弘社長
黒田精工 前田哲也社長
グラフテック 奥文郎社長
ジャルコ 北野敬之社長
アビックス 熊崎友久社長
アドテックス 黒瀬克也社長

2005年10月 7日

シリーズ・トップに聞く 第12回 ウインテスト 奈良彰治社長(後編)

「『理』の面だけでなく、『情』の面でも社員をバックアップする」

イメージセンサーとディスプレーの検査装置の開発・設計・販売を手がけるウインテスト<6721>は、05年7月期に売上高が前年比31.0%減の13億9300万円となったものの、創業以来12期連続で黒字を維持した。独自技術の専門分野で勝負するという同社の創業者である奈良彰治社長に、同社の強みと今後の方針などについて聞いた。

前編はこちら

――前期(05年7月期)の業績は?

 前期は売上高が13億9300万円で、前々期比3割減という結果だった。シリコンサイクルとクリスタルサイクルの両方が悪化し、オリンピックの好況感が終わり、経済全体も落ち込んだ。

 また、期待していた有機ELディスプレーの量産が、3年ほど遅れていることも大きな原因と思う。

――今期(06年7月期)の業績予想と今後の方針は?

 売上高20億円、経常利益3億8000万円の予想。エレクトロニクス分野の不景気は今年いっぱいで底を打って徐々に向上し、06年に開催されるワールドカップ、08年の北京オリンピックに向かって、半導体部門も液晶部門も順調に業績が回復し、次の大きな波となるのではないかと予想されている。15期までに売上げ40億円、経常利益8億円を目指す。

――どのような形での社会貢献を考えていますか?

 当社は、人間の目に関わる半導体や液晶を検査する製品を作っている。これまで人の目で見て検査が行われてきており、非常に細かい画像を見たり、まぶしいディスプレーを見たりする必要があった。しかし、1人の方がフラットディスプレーの画面を見て、耐えられるのは2-3時間。その後は目が痛いということがある。これを自動化することが製品面での社会貢献だと思っている。

 また、CSR(企業の社会的責任)活動を行っており、社外に対しては、昨年はNPO法人のエミネクロス・スポーツワールド(ESW)を支援した。ESWは、車椅子のバスケットボールなど、さまざまな年齢層、組織のスポーツ活動をしている団体。その団体に対して、社員に寄付を呼びかけ、集まった寄付金と同額を会社も出して、ESWに寄付した。その他、対外的なCSR活動を横浜中心に少しずつしている。今年はさらに活動の輪を広げたい。

 また、社内的なCSRとして、社員の「情」の教育を年に何回か行っている。一般の会社でも、マネジメントや業務スキルを向上させるための社員教育はたくさんしていると思う。当社は、「理」の面だけでなく、「情」の面でも社員をバックアップすることで貢献している。【了】

【会社概要】

商号ウインテスト株式会社

創業

1993年8月
上場2003年9月(東証マザーズ上場:証券コード 6721)
資本金5億5205万円
売上高13億9300万円(05年7月期単体)
代表取締役社長奈良彰治(なら・しょうじ)
従業員数37人(04年3月末)
本社神奈川県横浜市西区北幸1-11-15
横浜STビル11F
電話番号045-317-7888(代表)
URL http://www.wintest.co.jp/

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シリーズ・トップに聞く 第12回 ウインテスト 奈良彰治社長(前編)

「創業以来12年間、一度も赤字になっていない」

イメージセンサーとディスプレーの検査装置の開発・設計・販売を手がけるウインテスト<6721>は、05年7月期に売上高が前年比31.0%減の13億9300万円となったものの、創業以来12期連続で黒字を維持した。独自技術の専門分野で勝負するという同社の創業者である奈良彰治社長に、同社の強みと今後の方針などについて聞いた。

――会社の概要は?

 ウインテストは1993年に創業、今期で13期目を迎える。携帯電話に使われているディスプレー、カメラに使われている半導体や液晶の検査装置を開発・販売しているファブレス(工場を持たず、他社に生産委託する)メーカー。

――創業の経緯と沿革は?

 創業からCCDや液晶の周辺回路のハードウェア、テスト用アプリケーションを販売しながら、CCDや液晶の検査装置の開発を始めた。2年後の95年に、04年まで主流だったWTS-103Cという検査装置を販売開始した。

 現在では多くの機種のデジタルカメラが販売されているが、デジタルスチルカメラが97-98年にマーケットに投入され、異常な勢いで広がってきたとき、当社の最初の大きな景気の波が来た。98年には売上高が(WTS-103Cの販売を始めた95年から)4倍になった。その後イメージセンサーが携帯電話に使われるようになり、それが2000年から2004年にかけて、また大きな波が来た。

 また、当社はリアプロダクションテレビや会議用プロジェクターに使われている高温ポリシリコンという液晶の検査装置も開発・販売している。会議の電子化や、大型で美しく映るテレビへのニーズに合わせて、このマーケットも徐々に上がっている。

――特長と強みは?

 当社のコアコンピタンスは、まず経営的にファブレスであること。検査装置メーカーでファブレス方式をとっているのはおそらく当社のみ。半導体・液晶業界はクリスタルサイクル、シリコンサイクルという大きな景気の波があり、工場を持っていると、景気が上向きのときはいいが、景気が悪いときには工場を維持するためにコストがかかり、多くの会社が赤字に転落する。ファブレスというビジネスモデルのお陰で、創業以来12年間、当社は一度も赤字になっていない。

 技術上のコアコンピタンスは2つある。イメージセンサー測定では色むらを測定するのが技術的に最も難しいと言われているが、既にその技術を確立している。それから、ディスプレー関連では、当社はアレイテスト(表示画質検査)を得意としている。液晶の画素は極めて小さく、数ミクロンの大きさ。その中にある非常に小さな容量(キャパシタンス)をフェムト(10のマイナス15乗)まで正確に測る技術をもつ唯一の会社だ。(つづく)

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【会社概要】

商号ウインテスト株式会社

創業

1993年8月
上場2003年9月(東証マザーズ上場:証券コード 6721)
資本金5億5205万円
売上高13億9300万円(05年7月期単体)
代表取締役社長奈良彰治(なら・しょうじ)
従業員数37人(04年3月末)
本社神奈川県横浜市西区北幸1-11-15
横浜STビル11F
電話番号045-317-7888(代表)
URL http://www.wintest.co.jp/

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■バックナンバー
21LADY 広野道子社長
ウィズ 横井昭裕社長
アドバックス 齊藤大社長
サンコーテクノ 洞下実社長
鉄人化計画 日野洋一社長
メディビック 橋本康弘社長
黒田精工 前田哲也社長
グラフテック 奥文郎社長
ジャルコ 北野敬之社長
アビックス 熊崎友久社長
アドテックス 黒瀬克也社長

2005年9月16日

シリーズ・トップに聞く 第11回 21LADY 広野道子社長(後編)

目指すは10ブランドで1000億円企業

生活に密着した産業の投資、育成、コンサルティングを行う21LADY(トゥエニーワンレイディ)<3346>は、経営破綻した「洋菓子のヒロタ」を3年かけて建て直し、今年7月に再生手続きを終えた。広野道子社長は「年功序列や男性優位の企業文化を廃し、女性が活躍できる場が生活産業にはある」と話す。同社の今後の展開などについて広野社長に聞いた。

前編はこちら

――前期(05年3月期)の業績は?

 連結売上高が37億円だった。若干マイナスだったのは、ヒロタの民事再生処理を3年間やってきたから。工場の買い取りなど、前期に全て終了したので、これからは成長モード。今後もブランド再生事業で、民事再生を申し立てた会社を買収する可能性があるが、その場合、一時的にヒロタ再生時と同様の費用が発生することを(株主には)承知してもらいたい。

 一時的に費用をかけ、再生させた後は、その会社が上場することはもちろん、当社自体の価値を高めるシナジー効果のある事業に必ずなると確信している。

――今期(06年3月期)の業績予想と今後の方針は?

 今期の業績は連結で売上げ40億、経常利益は約2億円を予想している。現在3ブランドの事業を展開しており、今後ブランドを増やせばこの数字に変化がある。

 今後5年間の目標は、3つの事業のシナジー効果を生かして、外食・中食・小売・サービスの4つの分野でチェーン展開している会社や、生活スタイルに貢献するような会社をグループ化し、5年間で10ブランドを持つことを理想としている。それで連結で1000億円ぐらいの事業になっていくことが当社の中期的な目標。

――どのような形での社会貢献を考えていますか?

 人口の半分は女性。これまでは製造業や大企業が中心で、女性がマネジメントにかかわる機会が少なかった。しかし、ベンチャーや中小企業なら、女性や、男性でも若い人が、会社を伸ばすことができる。それを実践していく人たちを育てていくという考えを持っている。

 人口の半分である女性に、きちんとしたスタイルで働いてもらいたい。どんな世代でも、十分に長期的なビジョンで仕事をできる環境が整ったと思う。

 チェーンストアを育成するときに女性の力は絶対に欠かせない。日本のGDPの6割の280兆円を占める生活産業という、一般消費者がモノを買ったりサービスを受けたりする分野で、意思決定権の80%は女性が持っている。女性が消費者としてそれだけの決定権を持っているのであれば、マネジメントとしても活躍できる分野がたくさんあるはず。

 例えば、百貨店やスーパーマーケットなど小売の業界を見ると、もっと女性がマネジメントで活躍し、消費者の視点で事業を見れば、さまざまなやり方がある。再成長する余地は十分にあると思う。

 一生懸命、徹底的に中期的なビジョンで仕事をしたい人にとって、明るい時代になったと思う。女性や若い世代の人たちも活躍できる時代になった。そういう時代の流れを実現できる企業グループであることが、当社のビジョンであり、社会貢献の一番のポイントです。【了】

【会社概要】

商号トゥエニーワンレイディ(21LADY)株式会社

設立

2000年3月
上場2004年10月(セントレックス上場:証券コード 3346)
資本金7億7163万円
売上高36億9500万円(05年3月期連結)
代表取締役社長広野道子(ひろの・みちこ)
従業員数114人(05年3月末)
本社東京都千代田区二番町5-5 番町フィフスビル5階
電話番号03-3556-2121(代表)
URL http://www.21lady.com/

インタビュー内容を動画ニュースでご覧いただけます。

シリーズ・トップに聞く 第11回 21LADY 広野道子社長(前編)

「女性が頑張る仕組みを作り、若い人を登用すれば、経営スタイルは変わる」

21LADYの広野道子社長生活に密着した産業の投資、育成、コンサルティングを行う21LADY(トゥエニーワンレイディ)<3346>は、経営破綻した『洋菓子のヒロタ』を3年かけて建て直し、今年7月に再生手続きを終えた。広野道子社長は「年功序列や男性優位の企業文化を廃し、女性が活躍できる場が生活産業にはある」と話す。同社の今後の展開などについて広野社長に聞いた。

――事業内容は?

 21LADYグループは、ライフスタイル産業の事業創造、事業再生のための投資・育成をしている会社。

 グループ内には、『洋菓子のヒロタ』という80年続いているシュークリームの老舗のチェーンストア、『リテイルネット』というできたてのシュークリームを客の前でつめるシューファクトリーのチェーンストア、2年半前に加ト吉<2873>と共同出資(同社は25%の株式を保有)でダイエーから買い取った『HUB(ハブ)』というイングリッシュパブのチェーンの、3つの事業会社がある。

――創業の経緯と沿革は?

 私自身は創業前に20代後半から15年ほど、さまざまなチェーンストア事業に関わった。特にベンチャーリンクにいたときには、20社ぐらいのベンチャーのフランチャイズの方々と一緒にセミナーを開き、フランチャイズ開発をするお手伝いをした。

 生活産業は、女性がマネジメントで活躍できる重要な分野だと確信し、2000年3月に会社を作った。当社の平均年齢は28歳、女性が70%で、運営するチェーンのストアマネジャー、エリアマネジャーも80%が女性。

 3年前に『洋菓子のヒロタ』が民事再生手続きを申し立て、当社が引き受けた。今年7月7日に民事再生が終了し、これからは成長モードになる。今後は、年間15-20店を出店し、それぞれの事業の成長を支援する。

――特長と強みは?

 一番注力しているのは、老舗の事業や歴史の長い会社の経営の近代化。一般的なファンドは会社を買収し、売却することが事業の1つのシナリオになっているが、当社は事業運営会社として企業グループを増やしている。いったんグループに組み入れたら、半永久的に持ち続けるというのが事業の特徴であり、強みと言える。一緒に組む会社と、その資本を当社が持つ場合でも、一緒に成長していくことを目指している。

 洋菓子の業界は歴史があり、古い体質を引き継ぎながら21世紀になった。そういう業界でも、新しい経営手法を取り入れ、女性が頑張って働く仕組みを作り、若い人を登用していけば、経営のスタイルはどんどん変わる。

 そして経営を近代化しながら、いいものの歴史を残せるのが当社の強み。これを女性中心のマネジメントで、役割分担をして、若い世代の人たちや女性のマネジメントを登用してやっていく。(つづく)

後編はこちら

【会社概要】

商号トゥエニーワンレイディ(21LADY)株式会社

設立

2000年3月
上場2004年10月(セントレックス上場:証券コード 3346)
資本金7億7163万円
売上高36億9500万円(05年3月期連結)
代表取締役社長広野道子(ひろの・みちこ)
従業員数114人(05年3月末)
本社東京都千代田区二番町5-5 番町フィフスビル5階
電話番号03-3556-2121(代表)
URL http://www.21lady.com/

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2005年8月29日

シリーズ・トップに聞く 第10回 ウィズ 横井昭裕社長(後編)

「驚いてもらう、楽しんでもらう、感動してもらうのが一番大きな社会貢献」

05年6月にジャスダックに上場した玩具企画・開発のウィズ<7835>は、同社が手がけた新シリーズの「たまごっちプラス」が好調だったこともあり、上場後初の決算発表では当初予想を上まわる増収増益となった。横井昭裕社長に、同社創業からの経緯と、今後の方針について聞いた。

前編はこちら

――前期(05年5月期)の業績は?

 前期は、売上高が55億9800万円、経常利益が7億2200万円、純利益が3億8500万円だった。

――今期(06年5月期)の業績予想と今後の方針は?

 今期は売上高が62億5100万円、経常利益が7億5000万円、当期純利益は4億4000万円を予定している。今後は、とにかく株式公開したこともあるので、右肩上がりで業績を伸ばしたい。最低でも毎年10-15%ぐらい成長したい。

 ただ、おもちゃというのは売れるときと売れないときのボラティリティ(変化の度合い)が高いので、できるだけ業績に波が出ず、安定して伸びるような形をめざしたい。

 5年後ぐらいからは、新しいおもちゃ業界の1つの流れのようなものを作りたい。私がバンダイに入ったときには、バンダイや東映アニメなど非常に力のある会社が大きなキャラクタービジネスの流れを作ってきたわけだが、今見ると、その後ほとんど変わっていないような気がする。

 今度は新しい形の玩具やアニメ、もっと言えば、世界中の人たちから楽しんでもらえるエンターテインメントは何かという視点から、玩具業界にとらわれずに、いろいろな分野に挑戦したい。

――どのような形での社会貢献を考えていますか?

 世の中の人たちに驚いてもらう、楽しんでもらう、感動してもらうのが私どもの一番大きな社会貢献だと考えている。笑ったり、泣いたり、感動してくれたりの中で一つでも二つでも何かを得て、つかんでくれれば嬉しい。【了】

【会社概要】

商号株式会社ウィズ

設立

1986年9月
上場2005年6月(ジャスダック上場:証券コード 7835)
資本金3億3093万5000円
売上高55億9800万円(05年5月期連結)
代表取締役社長横井昭裕(よこい・あきひろ)
従業員数60人(05年5月末)
本社東京都中央区日本橋浜町3丁目42番3号住友不動産浜町ビル3階
電話番号03-3663-7677(代表)
URL http://www.wizinc.co.jp/

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シリーズ・トップに聞く 第10回 ウィズ 横井昭裕社長(前編)

「本当にオリジナルなアイデア・モノを作れるところは少ない」

インタビュー後の横井昭裕ウィズ社長05年6月にジャスダックに上場した玩具企画・開発のウィズ<7835>は、同社が手がけた新シリーズの「たまごっちプラス」が好調だったこともあり、上場後初の決算発表では当初予想を上まわる増収増益となった。横井昭裕社長に、同社創業からの経緯と、今後の方針について聞いた。

――どのような会社ですか?

 当社はおもちゃを中心に、「遊び心」をエンターテインメントととらえて、世界中で年齢や性別を問わず楽しんでもらえるものを企画・開発している会社。

――創業の経緯と沿革は?

 私はもともとバンダイ<7967>で、10年ほど企画・開発の仕事をしていた。バンダイは大きい会社なので、うまくいっても失敗しても、どうしてもバンダイの看板で仕事しているようなところがあって、自分の力を試したいと思った。また、「どうせなら一儲けしてみたい」という野心もあり、約20年前に会社を設立した。

 紙と鉛筆だけの企画会社として、4-5人でスタートした。バンダイにいたときは逆に、ある意味では自由に仕事ができたが、会社の経営をしていると、食べるために仕事をしなければならないこともあり、必ずしも本当に自分の好きな仕事ができるわけではなく、なかなか苦しいときもあった。

 経営が順調になったのは約8年前、「たまごっち」という商品を世に出すことができたとき。「たまごっち」はバンダイの商品だが、最初の企画は当社が出し、その後開発から生産まで行った。これが1つのきっかけとなり、その後「デジタルモンスター」や、最近では「ふたりはプリキュア」というヒット作品に恵まれた。

 「たまごっち」以前は、お客さんの顔色を伺いながらものを作っていたが、「たまごっち」以降は、「自分たちの好きなことをしよう」とふっきれたのがよかったのではないか。「デジタルモンスター」はおもちゃの販売だけでなく東映アニメーション<4816>でアニメ化も実現し、世界中で大ヒットした。

 その後は「おもちゃとアニメとの連動」というのを一つの売りにしている。まず売れるものを作り、それからストーリーや世界観を作って、漫画・アニメまで視野をひろげていく、そういうやり方を最近では得意としている。

――特長と強みは?

 強みはまず、0(ゼロ)から1(いち)を作れる会社ということ。おもちゃの企画会社は昔から結構あるが、本当にオリジナルなアイデア・モノを作れるところは少ない。ほとんど、当社だけと自負している。

 もう1つは、先ほど話したとおり、おもちゃの製作だけにとどまらず、ストーリー・世界観を作り、漫画化やアニメ化をし、キャラクターの世界まで広げていくところまでもっていけるのが私どもの強みと考えている。(つづく)

後編はこちら

【会社概要】

商号株式会社ウィズ

設立

1986年9月
上場2005年6月(ジャスダック上場:証券コード 7835)
資本金3億3093万5000円
売上高55億9800万円(05年5月期連結)
代表取締役社長横井昭裕(よこい・あきひろ)
従業員数60人(05年5月末)
本社東京都中央区日本橋浜町3丁目42番3号住友不動産浜町ビル3階
電話番号03-3663-7677(代表)
URL http://www.wizinc.co.jp/

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2005年8月17日

シリーズ・トップに聞く 第9回 アドバックス 齊藤大社長(後編)

「若者たちが活躍すれば、日本全体が素晴らしい国になる」

アドバックス<4749>は今年3月、創業以来行っていた人工雪「SNOVA」(スノーバ)を用いた屋内通年型ゲレンデ事業から撤退し、M&A(企業の合併・買収)などによる多角的な新事業創出・育成で再起を図っている。新展開で赤字脱却は可能なのか。齊藤大社長に今後の方針などを聞いた。

前編はこちら

――前期(05年3月期)の業績は?

 連結で売上高9億300万円(前の期比60.9%減)。今回、人口室内スノーボードパーク「スノーバ」を閉鎖して特別損失を計上。やっとまっさらの状態に戻ったので、これから黒字展開するつもり。

――今期(06年3月期)の業績予想と今後の方針は?

 今期は連結で約15億円の売上げ、利益1億円を念頭に置いている(発表ベースでは経常利益8000万円の予想)。今まで経営を苦しめていた重しがなくなったので、これからは今まで培ったことをもっと強化し、どんどん進んでいきたい。

――どのような形での社会貢献を考えていますか?

 私どもがしているのは(箱ものではなく)人材派遣などソフトの事業。事業内容が見えにくいが、「時代の通訳」だと思っている。

 つまり、私よりも上の方々や企業がしていることをエンドユーザーの若者たちに伝えて行くこと。とくに私どもは若者を使って文化を興す「ヤングマーケット」を得意としているので、この時代に合うような「通訳」の仕事を、アドバックスはしていると思っている。

 六法全書が分かれば弁護士は要らないし、ドイツでドイツ語を話せれば通訳はいらないが、私はそれができないので、通訳や弁護士にフィーを払って頼む。そのときのニーズに応える「時代の通訳」という形です。

 今の若者の文化にフリーターという現象があり、「よくないんじゃないか」「定職につかないと」と言われているが、フリーターで生きていくためには自分の特技がなければダメと私は見ている。若者がその特技に特化できれば、「どうして朝から晩まで、サラリーマンとして嫌な仕事をしなければならないんだ」と不満を言う人間ではなく、自分はこれが得意なんだとプライドを持っている人間がどんどん育つのではないか。政治家よりもそういう若者たちが活躍すれば、日本全体が素晴らしい国になると思う。アドバックスはそういう動きを支える会社の1つとして、社会に貢献したい。【了】

【会社概要】

商号株式会社アドバックス

設立

1992年4月
上場2000年3月(マザーズ上場:証券コード 4749)
資本金17億4961万円
売上高9億300万円(05年3月期連結)
代表取締役社長齊藤大(さいとう・だい)
従業員数14人(05年7月現在)
本社東京都千代田区五番町6-2 ホーマットホライゾン2階
電話番号03-5216-1851(代表)
URL http://www.advax.jp/

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