2007年3月31日

07年3月の読書記録

遠山正道『スープで、いきます 商社マンがSoup Stock Tokyoを作る』(新潮社、2006)
サラリーマンがこういう仕事のしかたをできるのか。「Soup Stock Tokyo」の立ち上げから現在までを、企画書も含めて書いてある本。この店に行ったことはないが、興味を持った。ポリシーのある店はすばらしい。

籏智優子『カフェをはじめてみませんか?』(柴田書店、2002)
図書館でたまたまみつけたカフェの作り方を事例とともに掲載している本。事例のほうはそれぞれのオーナーの心意気が伝わってきて面白い。作り方(cafe study)は、あまり参考にはならない。新版が出ているようだ。

箱田忠昭『いつも忙しい人、なぜか余裕のある人 最後に笑う人の時間管理術』(PHP研究所、2007)
時間管理について書かれた本は、それぞれ参考になることが多い。その要素を取り入れることでより多くの“仕事”をこなせるのも確かだろう。成功者が本を書いているので納得できる。(ただし、真に受けるとストイックすぎて、人生つまらなくなるのではと感じる) この本で面白いと思ったのは、時間泥棒と名づけているもの。すべきこととしての目標を掲げるだけでなく、しないこと・やめることのリストを作るという発想は参考になった。ついついやってしまうことがあるからねぇ。

マーサ・スタウト『良心をもたない人たち―25人に1人という恐怖』(草思社、2006)
「良心を持たない人」が心理学的にカテゴライズできる“症状”だというのが驚き。ただ、これを読んだことにより、人をサイコパスだと決め付ける人が出る危険性もある。

桂米朝『上方落語 桂米朝コレクション〈8〉美味礼賛』(筑摩書房、2003)
米朝2国間会議のニュース見て、この人を思い出したりして。本との出会いは人との出会いと同じぐらい不思議だ。こういう本を読むのは久しぶりだが、けっこう好きかも。小学校の頃初めて自主的に買った本は『日本のわらい話』だった気がする。落語は言葉を大切にしているので、交渉や営業力のヒントにもなると思う。

紙屋まさみ『「本気の扉」を開けば、なりたい自分になれる』(出版文化社、2003)
居酒屋甲子園に行くときに、たまたま数日前図書館から届いたこの本を持って出た。インドやヨガにインスピレーションを得た著者の本だが、大嶋さんの発言と驚くほど似ていた。面白い。

森見登美彦『太陽の塔』(新潮社、2006)
大学時代の僕の主たる行動範囲を舞台にした小説。そういう意味で懐かしさはあった。サークルのボックスなどにおいてある落書帳にありがちな文章。典型的京大生の生態と妄想。大学周辺で不毛な日々を過ごさぬと分からないような“専門用語”も含まれており、この地域に馴染みのない人は果たして楽しめるのだろうか。なぜこの本を、新潮社は出版したのか。ターゲットがごくごく限られているのかな。(読了してしまったという意味では見事にはめられてしまったのだが…)

藤原新也『黄泉の犬』(文藝春秋、2006)
著者の本はこれまで何度も人から勧められていたが、読んだのは初めて。オウム浅原の兄へのインタビューという点で注目された作品でもあるようだが、それよりも著者のインドでの体験とそれをもって現代日本の問題点を描いているところがスゴイ。

伊地知晋一『ブログ炎上 ~Web2.0時代のリスクとチャンス』(アスキー、2007)
元LD幹部の本ということで、敬意を表して立ち読み。最近のブログ事情が分かりやすく書かれていて、一読の価値はある。しかし再読の必要はなく、何と言うか、ネット上の文章にたとえると、面白いけど印刷してまで読む気がしない内容。最近、こういう本が多い。

伊藤公朗・美郷『ヒマラヤ音巡礼―シタールに魅せられて』(鳥影社、2002)
インド音楽の世界観を教えてくれる本。音楽を修行として捉え、それをつきつめているインドの人もすごいが、そこに何年も滞在してシタールを極めた著者のような人がいてくれてありがとう。信州在住らしい。一度演奏を聴きに行きたいな。

藤原新也『鉄輪』(新潮社、2000)
こういう本を読みたかった。最近読んだ小説はなんだか軟弱で、読み終わって得るものがほとんどないものが多かった。著者の17歳の時の体験を綴った自伝小説とのことだが、事実でもフィクションでもいいから、登場人物の心と考えがしっかりと織り込まれている作品を読みたいものだ。

藤原新也『空から恥が降る』(文藝春秋、2002)
この本を読んですっかり藤原新也のことが好きになった。いろいろなものを見ている人だけあって、懐の広さを感じる。どうしてこの人の本に、これまで出会わなかったのか。このタイミングで藤原新也に惹かれたのは何か意味があるんじゃないかと思う。

小倉陽子『アルファベット70音―5時間で学ぶ英語の発音』(文芸企画、2006)
片づけをしていたら出てきた、以前どこかで頂いた本。英語の“超発音記号”を提唱していて、例えばbestを「ベスト」ではなく「ベストゥ」と読めば通じるというようなことを主張している。英語を通じない理由を日本人はとにかく特定したがる。この本もその典型だ。こういう本が出続ける限り、日本人の英語は通じないんだと思い込む人が増えるだけだ。英語は通じるし、日本人の英語は世界でもレベルが高い。伝えたいことがあるならば、理解するまで説明し直せばいいのだし、どんな理由であれそれをしないということは、伝えたいことがないのだ。

原田和英『巨大人脈SNSのチカラ』(朝日新書、2007)
3年前にイギリスで何気なく書いていた事業計画が今で言うSNSに酷似していたことに気づき、また、新しく始める事業にSNSをどう活用するかを考えるため、SNSについて研究してみることにした。一応、mixiやgreeはベリーライトユーザーだが、機能を網羅的には利用していないので、SNSを俯瞰するのにこの本は役立った。ただ、脚注は余計なものが多い。まさに蛇足。

藤原正彦『国家の品格』(新潮社、2005)
話題になっている頃に図書館で予約したのだが、今頃来た(笑)。分かりやすいし、日本人の世界に対する貢献の仕方についての著者の意見に賛成。しかし、何でアレだけ売れたんだ?マスコミが第一の権力になっていると本書で述べられているが、そのマスコミのパワーで売れすぎてしまったんだろう。

⇒過去の記録:
 07年2月
 07年1月

コメント[4]

ついに藤原新也に出会ったか。
おれは最近の本はあまり読んでないけど、
昔の印度放浪だの西蔵放浪だのが好きだ。

あと太陽の塔はおれも読んだけど、
自分の京都時代を思い出すことが多すぎて爆笑だった。
でもあれを面白がっているのって元京大生ばかりだな。

おう。やっと出会ったよ。とりあえず、もう10冊ほどは読んでみようと思う。

「太陽の塔」読んだかぁ。なんでアノ本のこと知った? 京大つながりで情報が来たのかな?だって、俺らはそりゃ爆笑できるけどさ。普通わけわかんない世界だろう。編集者の趣味で出版したのかな? 京大とか京都にまるっきり関係ない人の感想を聞いてみたいね。

ふふふ。
実は、僕は藤原作品の中で『空から恥が降る』が一番納得いかんくて
手紙を書こうと思ったことがある。

うちの親父は、かつて講演会を聞きに行って、質問時間が足りなかったのに
苦情を言って、後で一緒に飲みに行ったらしい‥。

東京漂流の中に一つ面白いなと思った箇所があったよ。

わざわざ手紙を書くほど納得がいかないってのはすごいね。
同意するにしても納得いかないにしても、そんな本はなかなかないよなぁ。

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