2009年5月31日

09年5月の読書記録

●ヘレナ・ノーバーグ・ホッジ『ラダック 懐かしい未来』(山と渓谷社、2003)
目の覚める一冊。旅をして世界と地域を考える僕にとって、この本はときどき振り返るべき視点・情報が満載だった。ラダックという地域の伝統と伝統が崩れさる現状に加え、著者が長年にわたって続けてきたカウンターディヴェロップメントの話は、これからの未来を考えるヒントになる。アマゾンでマーケットプレイスでしか買えないのが残念。もう絶版なのか。ラダックに行きたい。

●本多静六『人生と財産―私の財産告白』(日本経営合理化協会出版局、2001)
第二次大戦直後に書かれた本だが、現代にも通じる不朽の名著。お金に対する考え方、他人との付き合い方などについて非常に参考になる。60年も前に書かれた本というのは信じがたい。真理とは時代によって変わらないのだろう。経営者や自立して生きたい人は必読の本。

●藤原和博『つなげる力』(文藝春秋、2008)
リクルート出身の校長が自ら実践した教育改革について語った本。教育現場での"成果"という意味でも非常に興味深いが、それ以上に著者のリーダーシップ、そしてタイトルにもなっている「つなげる力」は興味深い。情報処理力より情報編集力という主張も大いに納得できる。この本を読んだ翌日に藤原さん開発のオリジナル腕時計の話を日経MJで見かけ、つながるストーリーとの関連でまた驚いた。

●ピーター・モントヤ『パーソナルブランディング-最強のビジネスツール「自分ブランド」を作り出す』(東洋経済新報社、2005)
パーソナルブランドの考え方、築き方などが体系的に描かれている。章ごとに学ぶべきものが多い。ツールを作りながらもう一度読み返したいと思う。

●Danbisa Moyo『Dead Aid』(Allen lane、2009)
援助不要論。必要な人に必要なものは届かない。その原因と打開策を、アフリカ出身の著者が書いた説得力のある本だと思った。読み進めながら自分が、アフリカのことを国レベル、またはそれより小さな単位では全く知らないことに気づいた。

●杉山経昌『農で起業する―脱サラ農業のススメ』(築地書館、2005)
農業論というより起業論として秀逸。農協に従わないことで、収益と作物に対する真剣な取り組みを実現している。ビジネスマンとしての経験を存分に生かすやり方は、農業だけでなく、NPOなど、これまで"聖域"とされる分野で広がってくるだろう。

●江間正和『ランチは儲からない 飲み放題は儲かる―飲食店の「不思議な算数」』(講談社、2008)
飲食店経営とコンサルティングで10年の経験のある方が書いた本。内容が具体的で、かつ、理解しやすい。開業前にこれを読んだらかなり参考になるだろう。自分がこれまでに築き、気づいてきたことを確認できた。飲食店経営者は目を通しておくべきと思う。

●苫米地英人『残り97%25の脳の使い方~人生を思い通りにする「脳と心」を洗う2つの方法~』(フォレスト出版、2008)
軽い本。エフィカシー、スコトーマという専門用語を学べたからよしとしようか。スペースの都合で書かないとされているもの多いが、空いているスペースにもう少し詰め込めないか。

●マーク富岡『3000人のユダヤ人にYESと言わせた技術』(サンマーク出版、2008)
国の名前がたくさん出てくる"人あたり論"。△□人は○○だというまとめ方は、あまり印象としてよくない。何千人と交渉した人の発言とは思えなかった。「TOEIC320点の男がつかんだ」と書かれた帯も、センセーショナルだが詐欺的。20年も経てば状況も変わるだろう。カツオくんが10年後に本を書いた方が相当面白いだろうなー。

●ジョアン・シェフ・バーンスタイン『芸術の売り方――劇場を満員にするマーケティング』(英治出版、2007)
芸術の世界にマーケティングは無縁だとか必要としないと思いこんでいる人には目から鱗の書だろう。ただし、この分野が未経験で精通していない僕にとっては、芸術に絡めて書いたマーケティングの本で、特に新しい視点はなかった。芸術を目的としてない人に芸術を浸透させる活動としては、パクチーハウスの試みはいいんじゃないかと改めて感じた。

●可兒鈴一郎『世界でいちばんやる気がないのは日本人――成果主義が破壊した「ジャパン・アズ・No-1」』(講談社、2008)
日本人のやる気のなさをデータから示した第一章は蛇足。タイトルにもなっているが、本書の価値はそんなところにはない。著者の学んだ北欧スタイルが、実体験を元に書かれている。『ヴァイキングに学ぶ日本の将来像』とかのほうがタイトルとしては合うのではないか。

●デヴィッド・バック『かしこいカップルが最後に笑う―-2人で4倍豊かになる9ステップ』(翔永社、2001)
財産形成に関することが一通り網羅されており、非常に参考になる。夢や価値観をしっかり考えた上で必要額をはじき出すという発想には共感。

●泉正人『お金の教養―みんなが知らないお金の「仕組み」』(大和書房、2008)
学問教育、職業教育に加えて、金融の教育が必要だという著者の意見には同感。僕も学ぶべきことがたくさんある。ただし、本書は金融教育の基礎を説いた本であり、印象的には中学校の教科書のような感じだ。内容が薄いというと失礼だが、お金の教養が世の中的に足りないと評価した著者が、このレベルに落として執筆したというべきだろう。

●根本孝『オランダあっちこっち』(実業之日本社、2003)
オランダの生活から得たさまざまな情報が満載。日本とのかかわりなどにも言及しているところが興味深かった。読みやすく、オランダの入門としては最適。

●姜尚中『悩む力』(集英社、2008)
現代社会のさまざまな事象を、夏目漱石とマックスウェーバーを引用しつつ、著者の体験を交えて語った本。「ブレない軸を持ちつつ、人とのつながりを持つこと」。最近活躍中の多くの人から聞くこのことが、この本のエッセンスでもある。散漫に悩んでいる人にとっては、この本は理解しがたいのではとも思った。

●森山真有『伸びる子の法則』(PHP研究所、2007)
たくさんの生徒の事例を持っているからだろう。なかなか参考になる本だった。生徒をマスでなく個々で捉えているのはさすが家庭教師の会社。

●カデナクリエイト『クイズ商売脳の鍛え方』(PHP研究所、2008)
パクチーハウス東京を掲載してもらった本。クイズとしてはどうかな・・・。雑学を吸収するにはいいだろうが、商売脳を鍛えられるような内容ではなかった。面白い会社、サービスのリストとして眺めるといいとは思う。

●田中靖浩『右脳でわかる!会計力トレーニング』(日本経済新聞出版社、2007)
同じ著書の『数字は見るな』をポケット版にしたような感じ。クイズ形式で手軽な印象だが、回答における理由づけが甘い。新幹線の中での暇つぶしとして読んだのだが、840円の価値はないと思う。


⇒過去の記録:
09年|12|11|10|9|8|7|6|5|4321
08年|121110987654321
07年|121110987654321

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コメント[1]

今、気がついたんだけど、オレを登場させてくれてありがとう(笑)

10年後には、「TOEIC370の男が掴んだ」というコンセプトで出版したいと思います。
その際は、パクチーハウスでサイン会兼販売会を1週間くらいぶっ続けでさせてください(笑)

よろしく。

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