2008年05月31日
08年5月の読書記録
●渡邉美樹『強運になる4つの方程式-もうダメだ、をいかに乗り切るか』(祥伝社、2008)
運は自分で引き寄せるものという著者の主張には共感する。諦めなければ悪いことは大きなステップになる。困難なしで成功する人などいないだろうな。
●リカルド・セムラー『セムラーイズム 全員参加の経営革命』(SB文庫、2008)
革新的な社風を作ったというだけではなく、それを旧態依然とした会社の状況から変革していったというのが面白い。ほとんどの会社は独裁的だが、民主的なプロセスを取り入れることで変わってくるものもあるのだろう。ダイキン会長の井上氏の考え方と重なる部分もあり、興味深かった。
●井上礼之『「基軸は人」を貫いて (私の履歴書)』(日本経済新聞出版社、2008)
ダイキン工業元社長の「私の履歴書」。「望まない配属」を繰り返しながら、社長に登りつめて業績をV字回復させた著者の経営と人間に対する接し方が書かれている。タイムカードの廃止など性善説に基づいた人事管理を古くから行ったという氏のスタイルは非常に参考になった。
●リチャード・バック(村上龍・訳)『イリュージョン』(集英社、1981)
ビジネス書ばかり読んでいたが、すまいるスキップの前田さんにいただき読んだ小説。世の中は見る人によって違って見えるということを主題とした本。昔ならそうは思わなかったが、最近はそう思う。かなり楽しめたが、いくつかのレビューで翻訳のまずさを指摘していたので、そのうち原書で読んでみたい。
●持田騎一郎『儲かる音楽損する音楽―人気ラーメン屋のBGMは何でジャズ? 』(ソニーマガジンズ、2008)
「BGMコンサルタント」として業を成り立たせようとする著者の本だが、内装などと同じようにBGMを「収益を上げる」手段として捉える考え方は興味深かった。この本を読んで「儲かる音楽、損する音楽」が分かるというものではないが、この発想を常に意識しておきたい。
●細野祐二『公認会計士vs特捜検察』(日経BP社、2007)
本書の内容がどこまで真実かは分からないが、類書がいくつか出ていることから、刑事事件の有罪率がほぼ100%であり、捜査の過程に非人間的なことが行われているのは確かなのだと思う。司法試験という難関を経たエリートが、そういう操作手法に慣れるために、どのような「教育」が行われているのかに非常に興味がある。
●渡邉美樹『無人島ウィー 』(日本経済新聞出版社、2008)
大会社の長がこういう絵本を出そうという姿勢は素晴らしい。
●ロバート H.フランク『日常の疑問を経済学で考える 』(日本経済新聞出版社、2008)
面白そうなタイトルだったので図書館で借りた。本屋で見ていたらタイトルで買ってしまっただろう。「買わなくてよかった」。項目は面白そうなものが多いが、内容には深みがない。いろいろな現象を経済学で説明しているというよりは、経済学者がこじつけをしているだけ。
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2008年03月31日
08年3月の読書記録
●本田直之『レバレッジ人脈術』(ダイヤモンド社、2007)
「レバレッジ人脈術」に近いものを自分自身が自然に実行していることに気づいた。コントリビューションという視点になるほどと納得。著者のパーティーへの姿勢に共感した。「本を出すことは個人のIPOのようなもの」と書かれていたことが気になる。個人のIPOをまず実現させたい。今月末AERAに出ることは、その疑似体験になるか(店頭公開ぐらい?)。
●柴田明夫『水戦争—水資源争奪の最終戦争が始まった』(角川SSC新書、2007)
小さい頃、水はタダだと思っていた。いろいろな国を旅して、水の大切さを学んだ。日本でもミネラルウォータを買う人が増えた。でもいまだに水道水はタダだという感覚を持つ人が多いのではないか。食料自給率の低い日本は、他国の水に依存している。本書でもっと、その大切さを学ぶべきだと思った。
●平松洋子『おいしい日常』(新潮社、2007)
この本にように自分の好きな食材や店について思うがままに書ける立場になりたいな、と思う。まずはこういう本に書かれる店作りをすべきか。
●内海悟『デザートのカリスマ―「食後革命」は伝染する』(ビジネス社、2002)
ブームの作り方について分かりやすく解説してある。しかし、それはマニュアル化できるものではないし、真似ることでも実現できない。戦略の立て方として参考になる部分があった。また、本書をヒントにパクチーハウス東京のスタートダッシュがうまくいった理由について分析できた。
●野中郁次郎『経営の美学—日本企業の新しい型と理を求めて』(日本経済新聞社、2007)
経営に対する著名人の考え方を学んだ。大きな会社の経営者になる人はさすがに理想高き人が多い。しかし、末端の社員まで、その理想が共有されていないと実感として思う。理想の会社はどう作るべきなのだろうか。
●中村天風『ほんとうの心の力』(PHP研究所、2006)
人生のすべてのできごとは、すべて自分のこころがつくりだしている。自分が考えたとおりに世の中は見え、感じられる。すごく恵まれた現在の日本という環境にいる人の多くが、悲観的なのは心のありようがネガティブなのだからだろう。
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2008年01月31日
08年1月の読書記録
●シルヴァン・ダルニル、マチュー・ルルー『未来を変える80人 僕らが出会った社会起業家』(日経BP社、2006)
世界にある社会的ビジネスを起業した魅力ある人がたくさん紹介している。こういう人に会うための旅をした著者はスゴイ。それぞれの紹介に紙数をさけていないのが残念。もっと惜しみなく情報を出して欲しい。せっかくいい旅をしているのだから。
●北尾吉孝『何のために働くのか』(到知出版社、2007)
メディアが伝えた著者の姿と、この本に現れているそれはかなり違う。著者は魅力的なリーダーなのだろうと思わされた。また、そうなるための素地は、たゆまぬ努力で作り上げるものだということを教えてくれる。
須藤元気 幸福論
●大西啓義『「落とし処」の研究―実践・交渉学入門』(ダイヤモンド社、2000)
交渉においてwin-winの関係の大切さを説いた本。内容にはかなり納得できる。自分自身のマインドコントロールが最も難しく、重要。そうだよなーと思う。
●本田健『きっと、よくなる!』(サンマーク出版、2004)
同じ状況で楽しんでいる人とそうでない人がいる。お金や時間の価値を自分で決めないで人に決めてしまっている人が多い。この本には概ね共感した。多くの人は時間がなくて行動できないというが、行動する人ほど時間が持てるのだと思う。
●森久保成正『小さな飲食店で年商1億円を稼ぐ儲けのルール―独立起業の夢をかなえる仕事の基本とコツ』(ぱる出版、2005)
基本的にアタリマエのことが書いてある。ただし、それを店全体で徹底させるとなると話は別だ。チェックリストとして利用価値のある本だった。店外での導線と看板設置については非常に参考になった。
●本田健『図解 ユダヤ人大富豪の教え』(大和書房、2004)
「絶妙なタイミングに素晴らしい人と会える」こと。偶然なのか、運命なのかは分からないが、そういうことはあると思う。常にポジティブに物事を捉えていれば、全ての出会いや偶然をいい方向に持っていける(または解釈できる)ということなのかもしれない。
●上村達男、金児昭『株式会社はどこへ行くのか』(日本経済新聞出版社、2007)
読み物として非常に面白い。近年の株式会社関連事件とその報じられ方を痛烈に批判している。しかし、あまりに現状と離れた論の進め方をしているので、反発する方も多いだろう。専門的知識はほとんどないのでよく分からないが、事件を多角的な視点から見る助けにはなりそうだ。
●デイヴィド・クレイグ『コンサルタントの危ない流儀』(日本BP社、2007)
コンサルタントについて書かれた興味深い本。誰もが感じている胡散臭さを、コンサルとして活躍していた人が書いた。コンサルにはいい面、悪い面があるだろうが、これぐらい毒づいた本を読んでからアプローチしたほうがいいと思う。経験のない人が、経験のない分野で経営陣に入り込んで行くさまは、どんな商品でも売ることができる優秀な営業マンに似ている。共通するのは人に心理的に攻めていることだ。
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2007年11月30日
07年11月の読書記録
●平野日出木『「物語力」で人を動かせ!―ビジネスを必ず成功に導く画期的な手法』(三笠書房、2006)
●大前研一『旅の極意、人生の極意』(講談社、2006)
●本田直之『レバレッジ・リーディング』(東洋経済新報社、2006)
ビジネス書の読書を投資として捉えるという考え方は面白い。まさにその通りだと思った。「メモを作れば本は出がらしのお茶と同じ」という意見には笑った。「本を捨てること」への抵抗は、「本の内容を自分のものにすること」でなくすことができる。電話帳や辞書を検索するときのように、自分が必要とすることだけを拾っていく――なるほど。
●矢野謙介、上野厚子『これからのガーデニング 水栽培野菜づくりの愉しみ―土がなくても野菜は育つ』(グラフィック社、1999)
室内で手軽に野菜を作る方法について書かれた本。パクチーハウス内で、パクチーをうまく育てられれば面白いなー。ぜひやってみたい。
●村井亮、木村菱治『ビジネスSNSブック』(毎日コミュニケーションズ、2006)
レバレッジリーディングしてみた最初の本。この手の本に書かれている知識を効率的に取得するには確かにいい方法だと思った。
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2007年10月31日
07年10月の読書記録
●ジム・ロジャーズ『冒険投資家ジム・ロジャーズ 世界バイク紀行』(日経ビジネス人文庫、2004)
こんな旅をした人がいるのか。成功した投資家というバックグラウンドがあるだけあって、それぞれの場所で著者が感じたこと、発想は非常に面白い。こういう旅行記を待っていた。こんな本が書けるように、僕もなろうと思う。
●田中淳夫『割り箸はもったいない?―食卓からみた森林問題』(筑摩書房、2007)
パクチーハウスでは「My箸」を推奨しようと思っている。割り箸を使わないことは純粋にイイコトだと思っていたが、単純にそうとも言い切れないという主張が丁寧に書かれている。メリットとデメリットをよくよく比較して、店なりの主張を持って取り組みたいものだ。この本は考えるきっかけとして店の蔵書にも加えようと思う。
●レイ A.クロック、 ロバート・アンダーソン『成功はゴミ箱の中に―レイ・クロック自伝 世界一、億万長者を生んだ男-マクドナルド創業者』(筑摩書房、2007)
マクドナルドを世界的なチェーンにしたレイ・クロックの自伝。僕はマクドナルドには否定的な感情を抱いており、何年も行っていないが、世界であれだけのものを作った人の考え方からは学ぶものが多かった。「Be daring, be first, be different」。理想と経営哲学を持ち、それを貫きたいものだ。
●西田文郎『面白いほど成功するツキの大原則―ツイてツイてツキまくる頭の使い方教えます』(現代書林、2001)
考え方一つで世の中を変えられるということを分かりやすく書いた本。ツキという言葉でまとめたのが面白い。ただし、成功者の本の行間には必ず書いてあることであり、こういう“使い方”本で改めて気づくような内容ではない。
●両国の隠居『38万円で本ができた―個人出版がおもしろい』(太陽出版、2005)
●高石左京『個人出版(自費出版)実践マニュアル〈2007年版〉』(太陽出版、2007)
共同出版という方式があり、5年ほど前に誘われたことがある。なんとなくいい気分にさせられ、一部自費を出すことで本屋に並ぶ本ができるというものだった。魅力的だと一瞬思ったが、契約書をよく読むと、数万冊売ってようやく元が取れるものと判明。詐欺的なやり方だなと思った。本書は、そうした出版方法が横行する現状を憂慮している。現在の出版の問題点を浮き彫りにしながら、「出したい本を出す」ことを勧めている。島崎藤村の『破戒』が自費出版スタートだったとは驚きだ。
● 江副浩正『リクルートのDNA―起業家精神とは何か』(角川書店、2007)
経営者の姿勢というものが企業文化に反映するのだなと納得させられた。著者は「凡庸な人間」と自分を評しているが、その努力と行動力は並大抵のものではない。ベンチャーを立ち上げながら社会についてこれだけ考えている人は、現在では少ないのでは?
●内海正人『仕事は部下に任せよう!―なぜあの会社はデキる人ばかりなのかがわかる』(クロスメディア・パブリッシング、2007)
アタリマエのことが書いてある。特に読み応えのあるところはなかったが、この本に書かれているようなことは習慣として実践する必要がある。したがって、衝撃的な印象はないにしろこういう本をときどきめくるべきと思う。
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2007年09月30日
07年9月の読書記録
●折口雅博『起業の条件―若者文化からビジネスを生み出す方法』(経済界、1997)
最近、騒がれたGWGの折口氏の著書。10年前のもの。起業し、裏切られた経験がリアルに書いてある。イタイ目にあったことも書かれており、この手の本の中でも秀逸と思う。非常に勉強になった。僕も夢と構想力、執念と鉄の意志を持って、事業を成長させよう。
●鬼頭宏昌『小さな飲食店 成功のバイブル―赤字会社から年商20億円企業までの軌跡』(インデックスコミュニケーションズ、2006)
著者とは先日、友人の紹介でお会いすることができた。会う前に読もうと思ったのだが、手に入るのが遅れてしまった。タイトルにある通りの紹介を受けていたので、ギラギラした外資コンサルの人みたいのを想像して会ったのだが、実際はコテコテの名古屋人。大げさなことは何も言わず、淡々と自分の経験と考えを語ってくれた。この本もそう。奇抜なことが書かれているわけではないし、一見当たり前のことが学ぶ。それをすれば成功するのに、そのアタリマエがいかに難しいかということだろう。いい本だ。
●犬飼ターボ『チャンス―成功者がくれた運命の鍵』(飛鳥新社、2005)
物事をうまくコントロールする人の習慣が分かりやすく書かれている。小説ではなく、やはりビジネス書だと思うが、とても読みやすくてよかった。「人生は自分の思った通りになる」という考え方は、真実だろうと思う。何度も読み直したい。
●稲盛和夫『稲盛和夫の実学―経営と会計』(日本経済新聞社、1998)
「人間として何が正しいか」で、経営の判断をするという氏の姿勢に感激。会計をシンプルなものと捉え、そうすることが経営の透明化に役立つという意見に思わず頷いた。
●吉岡淳『カフェがつなぐ地域と世界―カフェスローへようこそ』(自然食通信社、2004)
府中市にあるカフェスローができた顛末や経営の方針について書かれた本。コンセプトを貫き、地道に応援者を増やしているさまが描かれている。面白いアイデアが満載だった。本が出てから3年が過ぎている。その後の展開に興味があるので、近々著者に会いに行こうと思う。
●神田昌典『60分間・企業ダントツ化プロジェクト 顧客感情をベースにした戦略構築法』(ダイヤモンド社、2002)
経営をうまくやることは、(多くの場合)カリスマ性ではなく、必要なことを着実にやることだ。この本は、経営者が押さえるべきポイントについて丁寧に書かれている。自分が考えていること、していることと照らし合わせると大変興味深かった。
●カイ・バード、マーティン・シャーウィン『オッペンハイマー 上 「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇』(PHP研究所、2007)
オッペンハイマーについては「原爆開発プロジェクトを指揮した人」というぐらいの知識しかなかったが、この本で彼の人となりがよく分かる。上下巻あるが、今ゆとりがないので、下巻は後日読みたい。全部読んでいないが、彼自身の苦悩がよく描かれている。膨大な資料を分析した著者に感謝したい。
●児玉浩憲『未来医療O‐リングテスト―オームラ博士の挑戦』(医道の日本社、1997)
パクチーが水銀などの重金属を排出する働きがあるということを記した論文などを探していて出会った本。O-リングテストという方法で医学の発展を考える大村博士の半生を描いた本だった。非常に興味深い。O-リングテストについて、もう少し何か読んでみたい。
●山口真美『正面を向いた鳥の絵が描けますか?』(講談社、2007)
視覚を中心とした感覚の発達について書かれた本。赤ん坊を被験者とした実験もいくつか書いてあり、息子のことを思いながら読むのも楽しかった。「正面を向いた鳥の絵が描けますか?」という命題も、本書の内容も大変興味深かった。しかし、この表題はないだろう。タイトルのつけ方に異議あり。
●『飲食店のエレメントコレクション (2)』(商店建築社、2001)
●『最新レストランの空間デザイン集』(テンポ、2006)
店舗の内装を考えるインスピレーションになった。シンプルなものを考えているので、これらの本に書かれているようなゴテゴテ感は必要ないのだが、内装を作りあげている仕掛けや考え方を学ぶことができた。
●岸宣仁『職場砂漠 働きすぎの時代の悲劇』(朝日新聞社、2007)
やや読みにくい本。格差社会の裏側を描いている。働き方については社会人経験者の誰もが考えたことがあるだろう。本書に書かれている犠牲者と、自らの境遇に違いはあるのかないのか考えてみるとよいと思う。加害者に共通する特徴を見ていて、新興IT企業で学歴や職歴を“粉飾”してのし上がっている人のことを思い出してしまった。
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2007年08月31日
07年8月の読書記録
●藤平光一『言葉の「気力」が人を動かす』(講談社、2001)
プラス思考の大切さが経験を踏まえて書かれた本。根性論とも間違えられそうだが、根本的な発想には同意する。子どもの教育と会社の経営において、参考にしたい考え方だ。
●大嶋啓介『スタッフの夢とやる気に火をつける! てっぺん!の朝礼』(日本実業出版社、2007)
大嶋さんという男が単なる居酒屋4店の社長ではなく、5000人を一挙に集められる男だということがよく分かる本。彼は熱くてすごいのだけど、それ以上によく学んでいる。
●阿久悠『言葉の達人たち』(扶桑社、1993)
言葉を大事にする職業の人が、言葉について語った本。欽ちゃんの章が秀逸だった。
●ドリームゲート(編)『挑戦から生まれた17の成功例―ビジネスは論より挑戦』(ぴあ、2007)
成功する人の中には、恵まれた環境にいた人もいるし、全くそうではない人もいる。共通しているのはどこかのタイミングで信念を持ったこと。そしてそれを貫き通すことだ。
●宮本照夫『ヤクザが店にやってきた―暴力団と闘い続けた飲食店経営者の怒濤の日々』(朝日新聞社、2000)
●宮本照夫『それでもヤクザはやってくる―暴力団vs飲食店経営者のあくなき闘い』(朝日新聞社、2001)
こういう世界はできれば知りたくない。この世界に踏み込む(踏み込まれる?)人とそうでない人との違いは何か。
●日本能率協会マネジメントセンター(編)『時間200%活用術』(日本能率協会マネジメントセンター、2005)
著名人の時間の使い方についてのインタビュー集。参考になりそうなことがいくつかあり、マネしてみたい。内容はほとんどウェブにも載っている。
●アンソニー・ロビンズ『人生を変えた贈り物 あなたを「決断の人」にする11のレッスン』(成甲書房、2005)
読みやすいが、ポジティブシンキングについての本ならもっとよい本がたくさんある。言いたいことはわかるがありきたりの話に終始している。
●チャールズ・ブコウスキー『勝手に生きろ!』(学習研究社、1996)
学研がこんな本出してるのか。アウトローな人生を生きる主人公…。この人の本はみんなこんななのかな?
●平岡 雅哉、堀田 正治『厨房設計の知識』(鹿島出版会、1999)
少なくとも今の段階で必要とされる知識は少なかった。が、見知らぬ世界を垣間見れたことは確かだ。
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2007年07月31日
07年7月の読書記録
●エレナ・ポーター『少女パレアナ』(角川書店、1962)
「喜びの遊び」で、何事もポジティブに転換する。自らがポジティブになることで、他人もポジティブに変えていく。小学生向けアニメになった本であり、表紙に可愛らしい絵が書いてあるので、電車の中で読むのはちょっと恥ずかしい本であるが、満員電車で人の足を踏んでもなんとも思わず、降りるときに無言でホームに突っ込んでいくオトナたちこそが、読むべき本だ。
●吉田よし子『カレーなる物語』(筑摩書房、1992)
スパイスについてかなり詳しく書いてある本。知りたいと思うことが全部書いてあるという感じ。手元に置いておきたい一冊だ。
●森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』(角川書店、2006)
『太陽の塔』のときはナンジャコリャとおもったが、この作品は面白いなと思った。独特な世界を作り上げている。文体も不思議と魅了される。著者の次の作品も読みたいと思わされた。
●湯川秀樹『旅人―ある物理学者の回想』(角川書店、1960)
大学生の頃から何度か読んでいる本。偉い人の生い立ちを見て、自分の息子の教育について考えたり…。
●佐藤裕久『日本一カフェで街を変える男―人、モノ、金が輝くスーパー経営術』(グラフ社、2007)
サービスとおもてなしの違い。約20店舗のレストランを経営する著者の素直なリーダー論。誰よりも、人を見るのがリーダーである。
●松本美佳『わたしと子どもと暮らしのレシピ―ハーブ、アロマでチャイルドケア』(ブラス出版、2005)
モノがあふれ選択肢が複雑になっている世の中で、シンプルな生活を提唱する著者に共感。クレヨンやスプレーを自作するというのには興味がある。産後の母親が書いた本には、なかなか貴重なものが多いなと思った。素通りしてしまうのはもったいない。
●高橋滋『I am a man.―チームワークと顧客第一主義がポイント!奇跡のレストラン「カシータ」の作り方』(オータパブリケーションズ、2003)
飲食業界の常識を打ち破って“最高のサービス”をする店を目指す著者の本。彼の感性は客の立場からするとアタリマエのこと。「カシータ」では超高級サービスを提供しているようだが、一般のレベルのサービスでもあふれるほどのアイデアがあるはずだ。
●田中 慎一、保田隆明『投資事業組合とは何か』(ダイヤモンド社、2006)
一時前よく耳にした投資ファンドについて、分かりやすく書かれている。事業を進めるために便利な仕組みである反面、それを悪用する人がいつの世にもいる。こういう仕組みは知っているに越したことはない。
●小倉昌男『福祉を変える経営~障害者の月給1万円からの脱出』(日経BP社、2003)
福祉現場の発想を転換した小倉氏の功績はすごいと思う。NGOなど“ボランティア”と言われる人たちがかかわっている“仕事”はみな同様の問題を抱えているが、こういう発想の転換を応用できるのではないか。
●小堺桂悦郎『なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?誰も教えてくれなかった!裏会計学』(フォレスト出版、2006)
「なるほど」と思うところもあるが、内容としては期待はずれ。会計学の本として読むとがっかりする。前書きで著者は「娯楽小説でも読むつもりで…」と書いているが、そういうつもりならよいかも。まぁ、カタイ話をやわらかくしたいという努力は、なかなか難しいのかもしれない。
●根本きこ『子どもと暮らす』(メディアファクトリー、2007)
母親が気づいた愛情を書いたエッセイ&写真集。自分の子どものために、こういうのを残すのはいいと思う。別に出版しなきゃというわけではなく(今、生後2カ月の写真整理中…遅れてる)。
●吉沢英明『Wikipedia ウィキペディア 完全活用ガイド』(マックス、2006)
ウィキペディアの勉強のために読んだ。網羅的に書いてあり分かりやすい。あとは使ってみないとな…。
●岩田正美『現代の貧困―ワーキングプア/ホームレス/生活保護』(筑摩書房、2007)
著者を取材したことがある。格差社会が流行語のように使われている中、貧困というキーワードを提示。テレビで取り上げられるようなセンセーショナルなホームレスへの転落ではなく、抜け出せない貧困の状態に嵌っているホームレスの現状をさまざまなデータを使って解説している。かなり教科書的な一冊。
●野地秩嘉『企画書は1行』(光文社、2006)
人に何かを伝えるときは、よく考えた上で簡潔に伝える。相手の立場に立てば当たり前のことだ。企画書は最初の1行で、“読ませる”。しかし、中身が伴わなければ。この本はタイトルで読ませ、中身で裏切る。個々の記事は面白いけど…。
●野地秩嘉『サービスの天才たち』(新潮社、2003)
密かに人気のある職人の紹介本。電車の中で読む本としては悪くないが、単なる各論に終わっているのが残念。この人の著作は、話がすぐ横にそれてしまうような気がする。
●北川八郎『あなたの生き方を変える断食の本』(致知出版社、2006)
簡単には味わえない世界の話? 食べないことは身体にとてもよいことで、胃潰瘍になったら1週間ほど断食すれば自然の治癒力で治る、とか。内臓を休ませるという意味ではそうなのかもしれないが、病気になったらできるだけしっかり食べて、それによって回復してきた身としては…。やってみないとわからないことなのか。
●加藤諦三『言いたいことが言えない人―「恥ずかしがり屋」の深層心理』(PHP研究所、2006)
改行の多い本。なるほどと思わせられるところもあるが、「恥ずかしがり屋」は追い詰められるのでは? 文章がなかなか展開しない。ページ数(275)の割には内容が乏しい。あとがきで急に出てくる「恥ずかしがり屋」の対極「ヒステリー」についてもっと書くべきだ。本を分ける必要はない。
●東野圭吾『嘘をもうひとつだけ』(講談社、2003)
あまりミステリー系は読まないのだが…。短編なので展開があっけなさすぎる。
●横田浩一 (著), 桑原太郎 (著), 藤巻幸夫(監修)『新富裕層の消費分析―藤巻流!「勝ち組」の意識を探る』(日経広告研究所、2006)
「高級外車で100円ショップに行くような」新富裕層のタイプ別分析。わかりやすい本ではあるが、具体例に具体性がない気がした。
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2007年06月30日
07年6月の読書記録
●藤巻幸夫『自分ブランドで勝負しろ!』(オーエス出版、2004)
いまビジネスに求められているのは「感動」というキーワード。起業はある意味で常識との戦いでもある。自らの信念を、熱く語り続けるために勇気をくれる本だ。
●大久保一彦『行列ができる店はどこが違うのか―飲食店の心理学』(筑摩書房、2007)
創業セポセンの宮内先生にいただいた本。最初は文章が読みにくく、なんだ…と思ったが、内容はGood。著者の言う「常識」が、飲食店の独りよがりを作らせているというのはよく理解できる。店に来る客に文化の階段を上がってもらうという考え方に納得。一読でなく、二読をお勧めする。
●小倉昌男『経営はロマンだ!(私の履歴書)』(日本経済新聞社、2003)
以前、日経の私の履歴書で掲載されたもの。改めて読み返してみて小倉さんのスゴさを感じた。宅急便を作ったこともすごいが(自分が生まれた時にはまだその制度がなかったと思うとなおさら)、福祉に経営の視点で取り組む発想力に共感する。
●藤原新也『なにも願わない手を合わせる』(東京書籍、2003)
写真と文章が心をひきつける。氏の考え方には共感することが多いので、時々手に取りたい。
●おおやかずこ『「食」繁盛店からトレンドをよむ』(日本経済新聞社、2005)
豊富な事例とともに、食のマーケットのことが解説してある。事例が偏っているような気もするが、すべてを網羅できるはずもないし、自分の知識や経験と比べながら読むと勉強になる。商売の要は客の目を持てるようになること。やっぱりそれが難しいのだろうか。
●トルストイ『新版 人生論』(角川文庫、2004)
難解だ…。でも読むと得るものが多い本だ。またそのうち読み返すかな。
理性は、われわれの生命が生まれたときに始まったのではなくて、そのまえにも存在していたし、いまも、これからさきも存在するものだということを、はっきり教えてくれる。(p.251)
●万城目学『鴨川ホルモー』(産業編集センター、2006)
『太陽の塔』よりは楽しめると感じた。妄想もここまで行けば…小説になるのか。京大にはこういう文章があふれている。今後そのようなものがどんどん出版させるとしたら恐ろしい。
●林原安徳『これが「繁盛立地」だ!―人が集まる、だから儲かる』(同文舘出版、2002)
店舗開設に必要な立地についてとてもわかりやすく書かれている。しかし、実際に開店するのは個別事例であり、一応確認する程度にしかならない。
●佐々木 俊尚 (著), 原田 和英 (著), 保田 隆明 (著), 齊藤 和生 (著), 田口 和裕 (著), 平山亜佐子 (著), 「シナトラ千代子」管理人 (著), 松永 英明 (著), 園田 道夫 (著), 寺本 秀雄 (著), SE編集部 (編集) 『SNSの研究 あなたはまだ「マイミク」のことが好き?!』(翔泳社、2007)
一部参考になったが、「SNSの研究」と題する本書が、個人的感想を研究として本としてしまうところに、SNSの不可解さがある。この分野で“先進的”な人もSNSを完全に把握できていないし、将来の予測はついていないのだなぁ。
●夏原武『危ないミクシィ―大流行!SNSの闇』(洋泉社、2007)
巨大SNSミクシィでの“事件”をまとめた本。個人情報などへの危険を警鐘するのはいいが、事件をネタとして焼き直すことは、この手の事件の解決にはならない。
●樋口裕一『旅のハプニングから思考力をつける!』(角川書店、2006)
単なる旅行記で、それを“思考力”という観点で解説していない。題名に偽りあり(そんな本ばっかだ、最近)。この手の本には内容に期待が大きいので、その分失望も大きい。
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2007年05月31日
07年5月の読書記録
5月はゆっくり本を読めなかったなぁ。
●松永和紀『メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学』(光文社、2007)
短い間だがメディアに関わっていた人間として、この本の指摘はイタイところもある。事実の検証という意味では知識のなさから非常に厳しさを感じていたし、同僚で記事をうまく書く人ほど“わかりやすく”事実を整理して決め付けてしまうのを止めることができなかった。ただ、著者の指摘は正しいものの、多くの記者はこの指摘を生かせないだろうというのが僕の実感。メディア人や学校の教師は、半分ぐらい「民間」の人と入れ替える仕組みがあれば面白いかもな。
●ジョン・マクミラン『市場を創る―バザールからネット取引まで』(エヌティティ出版、2007)
こんなに分かりやすく面白い経済学関連の本は初めて読んだ。事例が大変に興味をそそられる。高すぎるのが難点。読み応えあるし、半額にすれば結構な人が買うと思うが。というわけで、今すぐ図書館で予約をお勧めする。
●姜尚中『ニッポン・サバイバル―不確かな時代を生き抜く10のヒント』(集英社、2007)
「知性」についての章は一読を勧める。立ち読みでもすぐ読めるので。マスコミとネットに煽られて極論に陥りがちな社会に警鐘を鳴らす。
●宋文洲『コトバノチカラ―ビジネスの見方が変わる故事成語』(明治書院、2006)
宋文洲氏は考え方が明快な人だが、そういう人がコトバをテーマにして本を書いてくれるのは有難い。ここで書かれていることは日本人の多くが就職前に感じ、就社後数年で否定し始める事柄だ。
●宋文洲『仕事ができない人は話も長い』(日経BP企画、2006)
●上条さなえ 戸田ノブコ『あだ名はシャンツァイ―ぼくの初恋の女の子』(ポプラ社、2004)
平易な文章で書かれている子ども向けの本だが、内容は大人向きではないか。パクチー好きな人も、パクチー嫌いな人も必読! これを読んだ子ともの感想を聞きたい。
●小田実『小田実のアジア紀行』(大月書店、2003)
自分が旅した場所についての紀行文を読むのは面白い。とくに、自分と同じ時期に加え、その30-40年前にもアジアを旅した小田氏の話にはなるほどと思わされた。時代を超えて旅をし、変化を感じる。いろいろな場所に行く旅も魅力的だが、同じ人に会い、同じものを食べる旅もいい。自分にも他者にも変化があるので、結局は同じにならないのだけれど。
●小林英明『わかる! 会社法』(PHP研究所、2006)
会社という仕組みのことが非常に分かりやすく書かれていた。経済記事を書くなどの理由で、断片的には知っていることもあるが、体系的には知らなかったので、ためになった。
●広岡勲『ヤンキース流広報術』(日本経済新聞社、2006)
松井と同行して渡米しているジャーナリストの本。体験談として純粋に面白かった。そういうキャリアもありなんだな…と。時折無理に広報一般の話を書いているが、その部分は余計だと思う。
●マルジャン・サトラピ『刺繍―イラン女性が語る恋愛と結婚』(明石書店、2006)
イランがタイトルについていたのでなにげなく借りた本。“刺繍”ってそういうことか…。イラン女性の心の奥を描いた本なのだろうか。
●日本パブリックリレーションズ協会『広報の仕掛人たち―21のPRサクセスストーリー』(宣伝会議、2006)
企業だけでなく、自治体やプロジェクトの広報活動の事例が紹介されている。広報の奥深さを知った。仕掛けるためのヒントが満載。
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2007年04月30日
07年4月の読書記録
1-3月は読んだ順に上から並んでいたが、今月からは読んでよかった/また読みたいものから順番に並べることにする。
●奥野修司『満足死 寝たきりゼロの思想』(講談社、2007)
死を肯定的に捉える考え方には共感する。キューブラー・ロスの著作もいいが、この本は非常に身近で分かりやすかった。個の医療という言葉と、“障害のある人に尊厳を与えるのがリハビリ”という考え方に感銘を受けた。
●友野典男『行動経済学 経済は「感情」で動いている』(光文社、2006)
新書なのに、かなりボリュームがある。心理学的な要素がいかに経済を考えるときに必要とされるかが分かりやすく書かれている。社会心理学を学んだ僕からすると、そういう要素を無視してできている経済学は不思議な学問だ。内容が充実しすぎてて読むのが大変だった…。
●アジア太平洋資料センター(編)『徹底解剖100円ショップ―日常化するグローバリゼーション』(コモンズ、2004)
「安物買いの銭失い」。100円ショップに行くたびに感じること。でも、安さにはしばしば負けてしまう。安さの秘密を丁寧に取材した本。どうやって市場が作られるのか、その背景がよく分かる。この本の定価は1680円だが、100円で売ってこの事実を知らしめたらどうか。
●クラウス・シュペネマン『男の子の躾け方―あるドイツ人からの提言』(光文社、1980)
妻の父から頂いた本。日本に住んでいるドイツ人が、祖国との比較をしながら子育てについて論じている。父親の育児参加や“子は親の鏡”など、言い尽くされていながらほとんどの人が実現できていないことが説得力を持って書かれている。子育てのハウツー本ではなく、文化論であり、日本人の道徳観について書かれた本。折に触れて読み返したい。
●鈴木鎮一『幼児の才能教育』(光文社、1969)
これも頂いた本。僕が生まれる前に出た本だ。今では許されないような表現が使われており、時代の流れを感じた。しかし、子どもへの親の期待や、教育方法に関する悩みは、いつの時代も変わらないのだなぁ。具体例とともに幼児教育の成果を説明しているところが参考になった。
●猪口ゆみ『おいしいもの、届けます!』(新潮社、2007)
元看護婦で、現在はセコムの食のバイヤーをしている女性の本。楽しい仕事をしているエネルギーにあふれる本。いい仕事をするかどうかは、それにめぐり合えるかどうか。そして、いい仕事にめぐり合うには、著者のように活動的であるべきと思う。
●毛利子来『新版 赤ちゃんのいる暮らし』(筑摩書房、1990)
こういう医者がもっといるといい。育児情報が氾濫しているが、大抵は心配を煽る表現であふれている。赤ちゃんは飼育するものでなく、同じ人間として一緒に暮らす家族だという当然のことを確かめられるよい本。
●鈴木秀則『いますぐはじめる ドロップシッピング』(ソーテック社、2006)
ld在職中にお世話になった人とのやり取りで知った“ドロップシッピング”という言葉。うまい仕組みを考えたものだと思う。この仕組み、きっと伸びるなぁ。流通の多様化と単純化をうまく実現している。興味アリ。
●古川健介『新しいネットの稼ぎ方 ドロップシッピング成功術』(ソフトバンククリエイティブ、2006)
ドロップシッピングの内容と、DSPの比較がわかりやすい。しかし、文章に言い訳というか、不要な部分が多すぎるのは20代著者の特徴か。
●宋文洲ほか『営業の思想―なぜ毎日「日報」を書くのですか?』(プレジデント社、2007)
宋文洲氏の本を読もうと思って間違えて借りた。宋氏の発言は、最初の数ページのみだった…。紛らわしい。営業の第一級の人を取材した本。営業力は経営力に直結するから、いろいろと参考になることも多かった。
●北村充史『テレビは日本人を「バカ」にしたか?―大宅壮一と「一億総白痴化」の時代』(平凡社、2007)
テレビはその草創期から、人びとをアホにすると言われていたのか…。その傾向は増すばかり。それなのに、一度つけると消せないのはなんでだろう。この1ヶ月ぐらいは電源つけずに済んでいるが。僕にとってはあまり面白くなかった本。業界関係者は読むべきだろう。
●原田和英『意外と知られていない SNSの謎を解く』(シーアンドアール研究所、2006)
3月に読んだSNSの本とほとんど同じ。同じ著者だからな。こちらの方が少しいいか。こういう新しい分野の本は、数カ月経つとすごく古くなる。
●e-ビジネス推進委員会(編)『もう知らないでは済まされない SNSパワー活用の素』(イーグルパブリッシング、2006)
統一感のない編集。内容より、早く出版することが重視された結果だろう。
●古屋蔵人/小田島等/乙一/森本晃司ほか『2027 ボヤボヤしてたら、すぐやってくる。2027年のお話。』(ブルース・インターアクションズ、2007)
イランの絵本を出版した出版社の本。この会社は変わった本をたくさん出しているが、その中でも特徴的と思う。誰が買うんだろう。いや、読む人が読めば面白いのかな? とにかく読みにくかった…。
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2007年03月31日
07年3月の読書記録
●遠山正道『スープで、いきます 商社マンがSoup Stock Tokyoを作る』(新潮社、2006)
サラリーマンがこういう仕事のしかたをできるのか。「Soup Stock Tokyo」の立ち上げから現在までを、企画書も含めて書いてある本。この店に行ったことはないが、興味を持った。ポリシーのある店はすばらしい。
●籏智優子『カフェをはじめてみませんか?』(柴田書店、2002)
図書館でたまたまみつけたカフェの作り方を事例とともに掲載している本。事例のほうはそれぞれのオーナーの心意気が伝わってきて面白い。作り方(cafe study)は、あまり参考にはならない。新版が出ているようだ。
●箱田忠昭『いつも忙しい人、なぜか余裕のある人 最後に笑う人の時間管理術』(PHP研究所、2007)
時間管理について書かれた本は、それぞれ参考になることが多い。その要素を取り入れることでより多くの“仕事”をこなせるのも確かだろう。成功者が本を書いているので納得できる。(ただし、真に受けるとストイックすぎて、人生つまらなくなるのではと感じる) この本で面白いと思ったのは、時間泥棒と名づけているもの。すべきこととしての目標を掲げるだけでなく、しないこと・やめることのリストを作るという発想は参考になった。ついついやってしまうことがあるからねぇ。
●マーサ・スタウト『良心をもたない人たち―25人に1人という恐怖』(草思社、2006)
「良心を持たない人」が心理学的にカテゴライズできる“症状”だというのが驚き。ただ、これを読んだことにより、人をサイコパスだと決め付ける人が出る危険性もある。
●桂米朝『上方落語 桂米朝コレクション〈8〉美味礼賛』(筑摩書房、2003)
米朝2国間会議のニュース見て、この人を思い出したりして。本との出会いは人との出会いと同じぐらい不思議だ。こういう本を読むのは久しぶりだが、けっこう好きかも。小学校の頃初めて自主的に買った本は『日本のわらい話』だった気がする。落語は言葉を大切にしているので、交渉や営業力のヒントにもなると思う。
●紙屋まさみ『「本気の扉」を開けば、なりたい自分になれる』(出版文化社、2003)
居酒屋甲子園に行くときに、たまたま数日前図書館から届いたこの本を持って出た。インドやヨガにインスピレーションを得た著者の本だが、大嶋さんの発言と驚くほど似ていた。面白い。
●森見登美彦『太陽の塔』(新潮社、2006)
大学時代の僕の主たる行動範囲を舞台にした小説。そういう意味で懐かしさはあった。サークルのボックスなどにおいてある落書帳にありがちな文章。典型的京大生の生態と妄想。大学周辺で不毛な日々を過ごさぬと分からないような“専門用語”も含まれており、この地域に馴染みのない人は果たして楽しめるのだろうか。なぜこの本を、新潮社は出版したのか。ターゲットがごくごく限られているのかな。(読了してしまったという意味では見事にはめられてしまったのだが…)
●藤原新也『黄泉の犬』(文藝春秋、2006)
著者の本はこれまで何度も人から勧められていたが、読んだのは初めて。オウム浅原の兄へのインタビューという点で注目された作品でもあるようだが、それよりも著者のインドでの体験とそれをもって現代日本の問題点を描いているところがスゴイ。
●伊地知晋一『ブログ炎上 ~Web2.0時代のリスクとチャンス』(アスキー、2007)
元LD幹部の本ということで、敬意を表して立ち読み。最近のブログ事情が分かりやすく書かれていて、一読の価値はある。しかし再読の必要はなく、何と言うか、ネット上の文章にたとえると、面白いけど印刷してまで読む気がしない内容。最近、こういう本が多い。
●伊藤公朗・美郷『ヒマラヤ音巡礼―シタールに魅せられて』(鳥影社、2002)
インド音楽の世界観を教えてくれる本。音楽を修行として捉え、それをつきつめているインドの人もすごいが、そこに何年も滞在してシタールを極めた著者のような人がいてくれてありがとう。信州在住らしい。一度演奏を聴きに行きたいな。
●藤原新也『鉄輪』(新潮社、2000)
こういう本を読みたかった。最近読んだ小説はなんだか軟弱で、読み終わって得るものがほとんどないものが多かった。著者の17歳の時の体験を綴った自伝小説とのことだが、事実でもフィクションでもいいから、登場人物の心と考えがしっかりと織り込まれている作品を読みたいものだ。
●藤原新也『空から恥が降る』(文藝春秋、2002)
この本を読んですっかり藤原新也のことが好きになった。いろいろなものを見ている人だけあって、懐の広さを感じる。どうしてこの人の本に、これまで出会わなかったのか。このタイミングで藤原新也に惹かれたのは何か意味があるんじゃないかと思う。
●小倉陽子『アルファベット70音―5時間で学ぶ英語の発音』(文芸企画、2006)
片づけをしていたら出てきた、以前どこかで頂いた本。英語の“超発音記号”を提唱していて、例えばbestを「ベスト」ではなく「ベエストゥ」と読めば通じるというようなことを主張している。英語を通じない理由を日本人はとにかく特定したがる。この本もその典型だ。こういう本が出続ける限り、日本人の英語は通じないんだと思い込む人が増えるだけだ。英語は通じるし、日本人の英語は世界でもレベルが高い。伝えたいことがあるならば、理解するまで説明し直せばいいのだし、どんな理由であれそれをしないということは、伝えたいことがないのだ。
●原田和英『巨大人脈SNSのチカラ』(朝日新書、2007)
3年前にイギリスで何気なく書いていた事業計画が今で言うSNSに酷似していたことに気づき、また、新しく始める事業にSNSをどう活用するかを考えるため、SNSについて研究してみることにした。一応、mixiやgreeはベリーライトユーザーだが、機能を網羅的には利用していないので、SNSを俯瞰するのにこの本は役立った。ただ、脚注は余計なものが多い。まさに蛇足。
●藤原正彦『国家の品格』(新潮社、2005)
話題になっている頃に図書館で予約したのだが、今頃来た(笑)。分かりやすいし、日本人の世界に対する貢献の仕方についての著者の意見に賛成。しかし、何でアレだけ売れたんだ?マスコミが第一の権力になっていると本書で述べられているが、そのマスコミのパワーで売れすぎてしまったんだろう。
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2007年02月28日
07年2月の読書記録
例によって、書評ではありませんので悪しからず。
●鈴木海花、中山珊瑚『チェコA to Z―+プラハ旅日記Real Czech』(ブルースインターアクションズ、2006)
チェコには5年半前に訪れた。友人訪問が目的で、滞在期間中にしたことといえば、ビールを飲むか、ビールを飲むか、ビールを飲むか…ぐらいだった。が、この本でチェコの魅力を知り、すぐさま渋谷のチェコ料理屋「カフェ・アノ」へ。チェコに行きたくなった。
●ノーマン・カズンズ『笑いと治癒力』(岩波書店、2001)
「病は気から」。正しいと思う。この本はそれを実例をもとに証明している。科学としての医学を否定しているのではない。それが万能だとする風潮に疑問を投げかけている。重病にかかったことはないが、風邪などで治療を受けたときに感じる疑問…。この関連では、キューブラー・ロスの著作を読んだとき以来の感動を得た。
●宮本輝『星々の悲しみ 』(文芸春秋、1984)
家にあったので読んでみた。日常をの風景をするどく切り取っている。なので、ありふれた風景なのに、ものすごく印象にのこる。小説家はすごいと思わせる作品。
●カレル・チャペック(訳:飯島周)『チェコスロヴァキアめぐり 』(恒文社、1996)
上述の『チェコAtoZ』を読み、東京唯一のチェコレストランに行き、チャペックの作品を初めて読むことにした。土地についての記述は、想像力が追いつかなかった。行ったことのある場所などで、ときおり“なるほど”と思わせるところも。しかし、読み進めると引き込まれていった。第4章「あいさつ」で著者が述べていること――この作家のものを見る態度と、ものを書くときの謙虚さに感服した。
●カレル・チャペック(訳:飯島周)『園芸家の一年』(恒文社、1997)
上の本と同じ日に図書館で借りた。300以上の植物名が出てくるので、著者は素人の域を脱した園芸家だったのだと思う。植物の名前をそれほど列挙されてもさっぱりわからない…。しかし、この本の面白さは園芸をする/しないにはなかった。園芸家の特徴やこだわりを、コミカルに描いている。チャペックという人の、他の本も読んでみたいナァ。
●木原武一『父親の研究』(新潮社、1999)
第一子誕生を前に、弟がくれた本。幸田露伴やJSミル、カフカなどが、どのような父親を演じたか/どう父親と接したかが書かれた本。いずれも極端な事例だが、今後子どもと接するにあたって非常に参考になった。著名人の家族との係わり合いを描いた面白い本。
●金子光晴『人よ、寛かなれ』(中央公論新社、2003)
子どもを徴兵から力づくで守った父として、上記『父親の研究』に取り上げられていた人。金子光晴のことは全く知らなかったが、この本を読んで非常に興味を持った。30年近く前に亡くなった人だが、自分の信念を貫いて生きたこの人の文章は、戦前のことについての記述を含めて、古さを全く感じさせない。
●鮫島浩二『わたしがあなたを選びました』(主婦の友社、2003)
長男誕生の数日前、美紀にもらった本。赤ちゃんが、自分たちを選んでくれたというストーリー。アマゾンの書評欄では厳しいコメントが多いが、子ども誕生を前にした人は手にとってほしいと思う。
●金子光晴『アジア無銭旅行』(角川春樹事務所、1998)
すごい旅だ。戦前に著者のような旅をしている人や、東南アジアを拠点に蠢いている日本人がいたんだなぁ…。
●山本譲司『累犯障害者』(新潮社、2006)
自分の知らない世界が、自分のすぐ近くにある。最近、検察の手法や裁判制度について何かと話題になっているが、その陰で隠れた人のことを書いた本。タブーとして覆い隠されているため、当事者と直接の関係者にしか明らかになっていない事実。しかし、すべての人が自分が住んでいる社会の実情として知っておく必要があると思う。衝撃を受けた。
●柴崎友香『きょうのできごと』(河出書房新書、2000)
何気ない会話が最初から最後まで続いていく。大学生のありがちな日常。オチが読めてしまった…。そういうところに“共感”する人もいるんだろうな…。
●リービ英雄『最後の国境への旅』(中央公論新社、2000)
聞いたことはあったが、何の人かよく知らなかった。図書館でたまたま目についたので読んでみた。言葉の使い方と観察力が非常に印象的。日本人として、日本のことをもっと見て、もっとよく書きたいと思った。著書の他の本も読んでみたい。
●森達也『世界が完全に思考停止する前に』(角川書店、2004)
1年半前にたまたま縁があって森さんにインタビューしたときから思っていることだが、この人の言葉の使い方はとても丁寧だし、すごく率直だ。話しを聞いても、どの本読んでも同じことを言っている人だ。だからこの人の作品は、出るたびに読みたいと思う。
●山田真哉『さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学』(光文社、2005)
かつてのベストセラー。ブックオフで105円だったため、購入。会計学の本ではないが、読み物としては結構面白かった。
●柴崎友香『フルタイムライフ』(マガジンハウス、2005)
実体験は貴重だが、それには時間がかかる。本の価値は、それがフィクションであれ、ノンフィクションであれ、“人”の体験を、自分のものとして擬似的に味わうことができることだと僕は思う。何気ない日常を書く著者の作品は、それゆえ僕には物足りないのかなと思う。
●久恒啓一『図で考える人は仕事ができる』(日本経済新聞社、2002)
臨時デスクとして他記者の原稿を見ているとき、文の論理構成が分からないときに図を描いていた。接続詞の使い方がうまくて長い記事を書く記者の文章が、どうして読みにくいのかは何度読んでも分からなかったが、図解してわかった経験がある。図を描くことの重要性やメリットがいろいろあるのだということをさらに教えてくれた。この本に書かれたことを実践してみようと思う。
●森達也『日本国憲法』(大田出版、2007)
タブーって、確認せずになんとなくごまかしてしまうもの。それを検証することが、本当は必要なんだと思う。森さんの素直な視点は天皇や憲法へ。“怖い”と感じることがあっても、スタンスが変わらないところはさすがだと思う。憲法はなぜ修正じゃなくて、改正されようとしているのか。言葉の意味も含めて考え直そう。
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07年1月
投稿者 beemanet : 23:59 | コメント (1)
2007年01月31日
07年1月の読書記録
せっかく読んだ本を、忘れてしまわないように記録を残してみる。ただし、基本的に自分の記憶をたぐりよせるためのメモなので、レビューではない。毎月1回が目標だが、今回で終わるかも(おいおい)。
●林總『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?』(ダイヤモンド社、2006)
タイトルに惹かれて購入。物語形式で企業会計について書かれた本で、餃子とフレンチについては一部で触れているのみ。タイトルに偽りありだ。とはいえ、読みやすいので、会計のことをよく知らないが気になるという人にはオススメ。
●横田早紀江『めぐみ、お母さんがきっと助けてあげる』(草思社、1999)
昨年12月の北朝鮮人権週間を取材するために借りた本。日本の母の象徴ともなった横田早紀江さんの力強い思いが綴られている。母はただ娘を思う一心で活動を続けた。それを叩いたり、支援したりする周囲の姿も読み解く価値がある。
●新潟日報社特別取材班『祈り―北朝鮮・拉致の真相』(講談社、2004)
北朝鮮の拉致を主体的に捉えるのは難しい。神隠し、SFの世界に思える。報道を見ても、被害者“数”を知っても、実感が湧かない。でも、被害者やその家族は特別の環境におかれた人ではなかった。その人たちを知るために、同じく“普通”の環境に生きる僕らは努力すべきだ。
●東京大学教養学部「法と社会と人権ゼミ」出版委員会(編集)、川人博『こんなふうに生きている―東大生が出会った人々』(花伝社、2001)
東大生が著名人、ゼミの先輩にインタビューしたもの。熟練したマスコミ人が話を聞きだすのがうまいのは確かだろうが、それだと話がまとまりすぎて面白くないこともある。熱心な学生を前にすれば、質問に対する答えより、質問者への想いが先行する。読み応えのあるコミュニケーションが満載だった。
*インタビューされた人の中に、知人の兄を発見。驚いた。1度しか会ったことのない人だったが、ミクシィで連絡がとれた…。
●宇井義行『絶対成功する飲食店開店・経営の教科書』(インデックスコミュニケーションズ、2005)
MIFA国際交流フェスティバルに出店するのと、将来のための勉強のために読んだ。飲食店経営は企画とコミュニケーションが重要。顧客満足の高くない店は多いが、どこに問題があるのかをこの本を読んだことで分析できた。面白い。
●柴崎友香、田雜芳一『いつか、僕らの途中で』(ポプラ社、2006)
先日友人宅でのホームパーティーで出会った作家の方が、今年の芥川賞候補として選ばれていると聞いて、図書館にあったこの本を借りた。手紙形式の絵本といった感じ。季節を感じさせるやさしい本。この人の小説を読もうと思った僕には物足りなかった。他の作品も読ませていただきます。
●城繁幸『若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来』(光文社、2006)
昨秋に出た、元同僚の3つめの作品。今頃読んだ。すごく狭い範囲の話を一般化している印象。いろいろな事例が出ているが、残念ながら切り口が単一的にすぎる気がする。最初の本と違いFのことを直接的に触れていないが、人事制度を見る目がそこに固執している。彼がF退職してから3年。今後書く作品に期待。
●遠藤周作『深い河』(講談社、1996)
もう5回目ぐらいだろうか。何度読んでも飽きない本。読むたびに気づくことがある。自分の状況や成熟度で、感じることは違うのだろう。前どの部分に感銘を受けたか忘れてしまったが…。
●ジーン・ゼラズニー『マッキンゼー流 図解の技術 ワークブック』(東洋経済新報社、2005)
以前、一緒に働いていた人で元マッキンゼーのチャート作りの天才がいた。彼の「作品」を思い起こしながら読むと、随分納得できた。分かりやすい図は説得の第一歩。こういうことを学んでいれば、資料作りがクリエイティブなものになる。「必要ないデータは示さない」。知っておけば逆にうますぎるプレゼンにだまされないだろう…。
●長坂道子『世界一ぜいたくな子育て 欲張り世代の各国「母親」事情』(光文社、2005)
母乳に対する考え方を中心とした、世界の子育ての事例集。本の性格上、極端な例が載せられているのは確かだが、筆者が取材した子育ての文化差・個人差には驚いたし、これから子育てをする身にとって、とても参考になった。
●高間邦男『学習する組織 現場に変化のタネをまく』(光文社、2005)
丸2年が過ぎたライブドア・ニュースセンターの組織としての成長をいかにもたらすべきかを最近考えているため、タイトルだけを見てこの本を購入した。各人に主体性を持たせるための方法論がたくさん書かれていた。理論をそのまま当てはめて組織が成長するなんてことはありえないが、この本で得たアイデアがどう生きるのか、観察したい。
●柴崎友香『その街の今は』(新潮社、2006)
小説を読みなれていないせいか、よく分からなかったというのが本音。残念ながら芥川賞には選ばれなかったようだ。そういえば、芥川賞の作品って、ほぼ毎年読むけど、必ずしもよさが分からないからな。アマゾンのレビューで高評価なので、やっぱり気になるなぁ。また本人に会う機会もあるだろうし、他のも読んでみようか。
●小田実『子供たちの戦争』(講談社、2003)
戦争中だろうと、平時だろうと、子どもは育つ。いる環境で、どんどん学んでいく。しかし、子どもはそれを選べない。大人ができること――それは、子どもが育つ環境を、ちゃんと整えることだ。世の中の趨勢がどうかは関係ない。一人ひとりが意思を持って、創っていきたいと思う。
●NHK「世界遺産」プロジェクト『危機遺産からのSOS―歴史の爪あと、人類の愚かさ』(日本放送出版協会、2006)
同名の展示会を取材したのをきっかけに読んだ。世界遺産ってのは僕には大きすぎると、旅をして何度も感じたことがある。だから1回の旅行で何カ所も世界遺産を巡るなんて信じられない。消化できない。もはやブランドと化した世界遺産だから、こういう展示や本で“裏側”もきちんと見ておきたい。
●内藤誼人『「人たらし」のブラック謝罪術―下手に出ながら相手の心をつかむ方法』(大和書房、2006)
広島駅で時間を潰そうと入った本屋で目に付いた本。ヘタな騙し方が書いてあるという気がした。あまり説得力がなく、かつ、この本を読に書いてある方法で心をつかもうとする人がいれば、少し腹立たしいかもしれない(ミエミエだよという意味で)。人の心理をたくみに利用する方法を書いた本としては、昨年末読んだ『あなたもこうしてダマされる』が面白かった。
●内田洋子『ジャーナリズムとしてのパパラッチ イタリア人の正義感』(光文社、2005)
パパラッチの仕事の裏側を丁寧に描写した本。パパラッチという言葉には、今や悪いイメージが付きまとうが、それぞれの人がポリシーを持って仕事に取り組んでいる。プロの仕事ぶりを垣間見ることができて面白かった。
●小泉和子『和食の力』(平凡社、2003)
戦後、変わり行く生活を食を中心に紹介するとともに、変化によって失われた日本のよさを分析。西洋化した台所は、便利になっただけではなく、食事への態度やこだわりを捨てさせたという。とても興味深い本だった。
●藤巻幸夫『チームリーダーの教科書―図解 フジマキ流 アツイチームをつくる』(インデックスコミュニケーションズ、2005)
数日前、近所に住む友人Mに駅で出くわし、「今どんな人と会いたい?」と聞かれた。僕が糸井重里と阿川佐和子と答えた(その理由はここでは省く)。その友人は福助の藤巻幸夫社長の本を読んで「会いたい人」を皆に聞いているという。藤巻社長は著書でそれを明確に持っている人の重要性を説いていたそうで…。でも、この質問は本質をついていると思った。今会いたい人は、今したいこと、すべきことに恐らく近いだろうし。
面白い質問だと思い、藤巻社長の本を借りてみた。たまたま図書館にあったのがこの本。リーダー論はこれまでも読んだことがあるが、この本は分かりやすいし、実際にやってきた人だけあって説得力がある。今月初めに『学習する組織』を読んだときと、急に状況が変わったが(LDニュースセンターの閉鎖)、もう一つのオプションとして、半年ほど前から起業を考えている僕にとって、このタイミングでこの本に出会ったのは非常に深い意味を持っている気がする。
●ヘンリー・ミンツバーグ『MBAが会社を滅ぼす マネジャーの正しい育て方』(日経BP社、2006)
MBA取得者や一部のコンサルタントに見られる、傲慢さの原因がこの本で語られている。MBAプログラムが旧態依然としているという記述になるほどと思った。自信を身につけることがMBA取得の1つの利点である反面、視野が狭くなったり、ものごとを単純化する傾向にもあるのだろう。MBAを取ったから偉いのではなく(どうしてもそう感じてしまう)、知識を実践で生かせる人が求められている。MBA美化に警鐘を鳴らすとともに、MBAのあるべき姿を述べていた。
●山田一巳、古瀬和谷『ビール職人、美味いビールを語る』(光文社、2002)
キリンで働き、現在は清里で地ビールの醸造長をしている人の本。ビール作りへの思いが力強く語られている。大手5社が似たようなビールを出し続け、酒税の関係で発泡酒などというジャンルを作ったり、マスコミが“第3のビール”(犯罪的なネーミングだ)と呼ぶ、ひどい飲物が氾濫している現状があるが、こういう人が地ビールを作っていると知って、嬉しくなった。一度飲みに行きたい。
投稿者 beemanet : 23:59
2005年10月28日
無国籍
国籍について考えたことはあったが、「無国籍」についてはほとんど考えたことがなかった。
国籍は自分を表現するときの1つの方法で、それによりさまざまな権利・義務が生じるが、国境線が変わるなど、状況で変化することもあるもの。生まれてから国籍を何の気もなしに持ち続けている身としては、普段はほとんんど気にすることはなかったが、アイデンティティーとしてはとても弱い概念だ。日本のパスポートは“最強”と言われ、そのお陰でこれまで僕は好きなように旅をしてきたが、一方で国籍という概念のために、自由に行き先や仕事、配偶者を選ぶことができない人がいる・・・。
『無国籍』(陳天璽 著、新潮社)という本にたまたま出会いページをめくってみたのだが、あまりに興味深くて一気に読み終えた。「無国籍」で生き、日本国籍を取るまでの約30年を描いた作品。同じ体験をすることはできないが、彼女の30年間をこの本で追体験することは、とても貴重と思う。
全ての旅人にこの本を薦めたい。いや、全ての国籍を持つ人と持たない人が目を通すべき本と言えるかもしれない。
投稿者 beemanet : 23:59
2005年10月26日
『ブログ 世界を変える個人メディア』
ダン・ギルモア著『ブログ 世界を変える個人メディア』は、ネットのジャーナリズムに関わる1人として、興味深い本だった。本にかかれていることの多くは試す価値があると思う。取り入れていこう。
本書中に編集者トム・スタイツのメールからの引用があるが、それには特に同感。
民主主義が必要としている「未来のジャーナリズム」とは、幅広い読者に届き、彼らが行動をとるきっかけになるべきものだ。
これは現在の職場に入るときに、僕が志望動機に書いたことに共通する。
単に事象を伝えていくだけではなく、その事象と読者の日常がどのように関わっているかを明確に示し、行動を起こすためのヒントを提供するような記事を書きたいと思います。遠くの出来事を「自分には関係ないもの」として読者に捉えさせるだけの記事は意味を持たないと考えます。「何が起こっているか」を伝えるのは当然で、「何ができるか」についての選択肢を読者に与えることでジャーナリズムは生きてくるのだと思います。人々の行動に影響を与える記事を書く記者を目指しています。
「書くこと」に追われてしまいがちだが、「なぜ書きたいのか、伝えたいのか」を常に意識しておきたい。
投稿者 beemanet : 06:39 | コメント (2)
2005年10月12日
『アキラの地雷博物館とこどもたち』
読むべし!
わたしの両親を殺した人は、今も生きています。わたしはときどき、その人に会いに行きます。わたしの両親を殺したことを、その人は知っています。わたしが彼に話しました。彼はわたしに、あやまりました。わたしは彼を恨んではいません。殺したいとも思いません。・・・(略)・・・彼は生き方を選べなかった。だから、わたしの両親を殺しました。むかしのわたしも彼と同じです。『ノーチョイス』、選択肢がなかった。...書評
投稿者 beemanet : 09:00 | コメント (1)
2005年06月04日
平和学と池波正太郎
先日、ある人に平和学の説明をしていたところ、「君の言っていることが池波正太郎の本の中のメッセージにあった」と言われたので、ブックオフにあった本を買って読んでみた。池波正太郎を読むのは初めて。
『旅路』という本を読んだのだが、その本のエッセンスを表していそうなこの台詞。
「人の世などというものは、な・・・・・・」
「それぞれの人の勘違いによって、成り立っているようなものじゃ」
(下巻、p.74)
投稿者 beemanet : 14:21
2005年02月24日
インドの大道商人
『インドの大道商人』(山田和 著 講談社文庫)を読んだ。先日たまたま図書館で目にして借りたのだが、今までこの本について知らなかったのが悔やまれる。15年前に出た本。
インドで会ったミスタルゆ~じくんと「だるだるだ~る」という読み物を書いたことがあり、「インド人」については150回シリーズぐらいで論じたいと10年ぐらい思っているのだが、全然進んでいない・・・。
それをこの本は実現してる。足掛け11年、インド渡航9回で300人の大道商人にインタビューをして、110人を紹介。インドに行った経験のない人には理解しがたい文章かもしれないが、一行々々が濃密なインド体験の本。素晴らしい!
初めてインドに行ったとき、そこで20歳の誕生日を迎えたことを思い出す。あと2週間で30歳だ。10年でインドには4回行った。この本の著者ほどではないが、インドにはかなり親しんできたし、インドにまつわるもの・人からかなりいろいろなものを学んだお陰で今の自分がある気がする。30歳を機に、「だるだるだ~る」再開するかなぁ。
投稿者 beemanet : 20:33 | コメント (1)
2004年12月03日
いちばん大事なこと
養老孟司の『いちばん大事なこと』を読んだ。
本書は環境問題について書かれているのだが、著者が「虫も自然、人体も自然」の章で「人間対環境」という捉え方がそもそもの間違えであり、人間は自然という大きなシステムの一部であると述べている通り、環境問題という切り口で論を進めることで現代人の行動や考え方について意見を述べた本ともいえる。
脳で捉えられない、情報化できない事象というのは世の中にたくさんある。つまり、人間が捉えられるのは「自然」というシステムの一部にすぎない。それを意識のみで「わかったつもり」になり、人間より大きな「自然」をコントロールしようとする愚かしさ、それが分かりやすく表現されている。コントロールではなく「手入れ」をすること――これは庭や森林の手入れに限らない。目に見えること、通説として一般に認められていることをもとに政治・経済を含めて世の中は動いているが、わかったつもり、すべてをコントロールしたつもりで進めた政策が公害や伝染病を広めるなどマイナスに作用した例は枚挙に暇がない。
イギリス留学中に「平和のためにできること」で核抑止についての文章を書いたとき、核抑止論者に対する批判をしたのだが、その批判が全然なってないということでお叱りを受けた。ここで書いたコラムの趣旨は「思いつきの積み重ね」であったので記事などを読んでふと思ったことをできるだけ忠実に表現して、その思考過程を残すことを目的としていた。だから後から読み直して偏っていたり間違っていたと判断した場合は、その文章を修正するのではなく、追記をすることで対応していた。(まとまった文章でなく、思考のあらがたくさん見えたことにより、たくさんの人から意見を頂くことができた)
その中で「書きすぎかな」と思いつつも(バカという表現を使った)、上記のような理由でそのまま掲載した核抑止に関する文章に批判がきた。その方と掲示板上で何度かやりとりして説明を試みたが、難しかったように思う。
最初のうちはその批判者が求めるように「代替案」をもって「論破」するにはどうすればいいかを考えたが、核抑止力が成り立たないことは核戦争が起こってはじめて証明できるものだという以上に考えを進めることができなかった。次に、論破できれば正しいか、論破された者は納得するかについて考えたとき、必ずしもそうではないと感じた。情報の積み重ねは必ずしも真実ではないし、目に見える範囲でした選択は必ずしも長期的によいものをもたらすとは限らない。
本書に書かれていたことは、僕がこのときにふと感じたことを随分発展させたものだと思った。まだ理解しきれていないが、この本に書かれたことを応用することで、論破以外のやり方で「正しさ」を説明できるのではないか。そう思った。(うーん、何言ってるか、分かる? ま、読んでみて。いい本だ!)