2010年1月31日

2010年1月の読書記録

『iPhone情報整理術~あなたを情報''強者''に変える57の活用法堀正岳』(技術評論社、2009)
iPhoneの使い方事例がアプリの紹介とともに書かれていて便利。せっかくの機器を有効に使いたい人は、最初に目を通すとよいと思う。へーそんなことも、といった発見も多い。そこまでやるか...というものも含めて。

●庄司智子『うーらのオーガニックレシピ手帖2』(エンターブレイン、2009)
パクチーハウスで出版の打ち上げをしてくださり、著者からいただいた本。僕はほとんどレシピ本を読んだことがないが、素材に対するアイデアなど、非常に参考になった。美味しい一冊です。前作にも目を通してみたい。

●金森重樹『1年で10億つくる不動産投資の破壊的成功法』(ダイヤモンド社、2005)
不動産に関してはほとんど知識がないのだが、事業をやっている者の教養としてめくり始めた。事業融資の担保としての不動産の価値を改めて思い知らされると同時に、住宅ローンと不動産投資にかかる税金に関する差を初めて知った。無知はこわい。

●柏木珠希・高樹公一『副業で始める「飲食店ビジネス」-会社を辞めずに年商2億円のノウハウ公開』(講談社、2009)
サラリーマンが副業で飲食店を始めるという視点で、事例と方法論を書いた本。立場は違うけれども、非常に参考になる本だった。ケースの中にあった島居里至さんの例とやり方は興味深い。また、「平日の昼は本業をしている人」がいかに店舗を管理するかという点も興味深かった。

●Tim O'Reilly、Sarah Milstein『The Twitter Book』(Oreilly & Associates Inc、2009)
twitterの使い方が網羅されている。使いながらいろいろなことを身につけたり、発見するほうが楽しいと思うが。やたらとマスコミで連呼されているtwitterの面白さが少し使っても分からないけれど、それでも理解したいという方はページをめくってみてください。

●加藤ひろゆき『借金ナシではじめる激安アパート経営 不動産投資でつとめ人を卒業スル方法』(ぱる出版、2008)
不動産投資について学ぼうと適当に選んだ本。カタカナの混ぜ方と文章が好きではなかったが、内容は分かりやすく読んでよかった。不動産投資について知りたい人が最初に開ける扉として最適と思う。

●井寄奈美『小さな会社のトクする人の雇い方・給料の払い方』(日本実業出版社、2009)
人事の基本がわかりやすく書いてある。一応僕も人事の職歴はあるので、知っていることも多いが、自分の会社にあてはめようとするとき、参考になりそうだ。

●吉田信康『これならできる 小さな会社の超簡単経理―もう悩まないもう困らない会社の経理がらくらくわかる』(ぱる出版、2005)
前に買った本を確認をこめて目を通した。会社設立直後の事務を簡単に説明した本。現実的な解決法が書いてあるが、自分の会社はこの段階をこえて次のステップを踏まねばならない。税理士が書いた「税理士の選び方」は、交渉時の心構えとしてやや参考になった。

●「フォーチュン」編集部『シークレットアドバイス 世界トップの企業家・CEOが明かした「私の働き方」』(幸福の科学出版、2008)
世界の名だたる経営者の言葉が並べられている。印象に残る言葉も多いが、抜粋の仕方がよくないのだろう、全く魅力を感じない項目も多かった。この一冊を読むよりも、きちんと時間をかけてそれぞれの経営者の著作を読むべきと感じた。

●中村伸一『感動が共感に変わる』(こう書房、2008)
やけにアマゾンの評価が高い本。「俺」の考え方はわからないこともないのだが、そこにのめりこめない人は同社のツアーをどう捉えるのだろうか。強いコミットを求めるツアーを開催しているだけに、その反動も大きいのではないかと、読書の途中から思った。


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2009年12月31日

2009年12月の読書記録

●伏木亨『おいしさを科学する』(筑摩書房、2006)
「日本のカレーは和食である」。日本のダシ文化について、わかりやすく論じた本。うまさのポイントは、身体によくない影響があるとされる砂糖と油。そしてもう一つが、日本でいうところのダシである。ダシは美味しさと健康を両立させる素晴らしいもの。砂糖不使用、油も極限まで減らした"地球を救うカレー"は、ダシが味の決め手となっている。「スパイシィ、ヘルシィ、オイシィ」を実現する商品を出している者として、本書はその根拠となる本だった。

●森枝卓士『手で食べる?』(福音館書店、2005)
小学生が世界のさまざまな食文化を学びながら手食にトライしている。行儀作法をその形としてではなく、本質として学べれば食育として非常に価値があるだろう。必見。子ども向けの本であり、買えとは言わないが、パクチーハウスに置いとくので見といてください。

●内海正人『仕事と組織は、マニュアルで動かそう』(クロスメディア・パブリッシング、2008)
会社の基礎作り=マニュアル。チェーンだからではなく、仕組み化を徹底させるために必要な仕事について分かりやすく書かれている。パクチーハウス東京もこの基礎をしっかりさせるときだ。非常に参考になった。

●本吉圓子『あふれるまで愛をそそぐ6歳までの子育て―子どもの心にひびく愛ひびかない愛』(カンゼン、2006)
甘えと甘やかしの違い。子供が求めているのは、小さなことという記述に納得。子育ての本はたくさんあるが、これだけシンプルで説得力のある本は少ないのでは。著者の保育経験が、ものすごく参考になる。

●午堂登紀雄『お金の才能』(かんき出版、2009)
よくあるお金についての考え方の本。不動産投資については興味を引く記述があったが、その内容にまでは踏み込めていないので、ほかの書籍を参照する必要がある。広く浅くの本。

●島田昭彦『デキる人は皆やっている 一流の人脈術』(明日香出版社、2006)
目新しいことはほとんどなかった。マメさが肝心。本論とは関係ないが、インドで手食を勧められたというくだりがあり(p.140)、この本にこの時期で会ったのは縁だろうなと感じた。

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2009年11月30日

2009年11月の読書記録

●大林豁史『外食・非常識経営論―今の売上で、2倍の利益を上げる方法』(ダイヤモンド社、2007)
非常に参考になる本だと思った。外食業界の常識とは違うことをやっている。しかし、おかしなことをやっているというよりは至極まっとうであると思った。僕も店を作ると決めて最初に思ったのは外食の常識は必ずしも一般的な常識と合致していないということ。僕は一般的な(というか僕独自の、笑)常識に従ってやってきた。「非常識経営論」の「非」が、表紙では裏文字になっているところにそういう思いが込められてるのではないか。外食経営者必読。

●塚越寛『いい会社をつくりましょう』(文屋、2004)
経営の手法や戦術は柔軟に変わる必要があるが、経営の哲学はいつの時代にも変わるものではない――。「いい会社をつくりましょう」というシンプルな社是は、長期的な視点に立った無理のない成長への確信から来ている。実際訪れて空気感がすごくいいところだったなぁ。健全に経営者として生きていくためには、ビジネス書の合間にこういう本を読んでおくべきと思った。

●丸元淑生『システム自炊法―シングル・ライフの健康は、こう守る』(中央公論社、1987)
タイトルは独身者向けの健康管理法だが、料理の基本・必須栄養素などについて非常に分かりやすく書かれている。外食で摂りすぎているものを減らすだけでなく、現代人に必須なミネラルなどを効果的に摂る方法などもためになる。今月から始めた手食カレー業態「Bij @ paxi house」は、この本に書かれている「必要なもの」を補う手段の一つとなりえそうだ。

●雁屋哲『美味しんぼ(24)』(小学館、1990)
カレー特集。p.86-88は必読。

●柳澤大輔『アイデアは考えるな。』(日経BP社、2009)
「人はある考え方を公言するようになると、それまではそうした考えを持っていなくても、その考え方に従って行動する傾向が際立って強くなる」。面白法人というニックネームをつけた同社はまさにその好例。すごい企画を考える人の裏にはすごくない企画がたくさんあり、だからすごくないアイデアをたくさん出しまくろうという姿勢も参考になる。

●宮台真司『日本の難点』(幻冬舎、2009)
日本の論点を一人で書く、というところから本書が始まっているように、議論は多岐にわたっている。著者自身の主張の強さは分かるが、全体としては理解しにくい。いくつかの事例の選び方にも疑問が残った。

●小川浩『仕事で使える「Twitter」超入門』(青春出版社、2009)
twitterについて現状がよくまとめられている。将来像についてはどうでしょう。歴史の浅すぎるメディアdから...。結構なへヴィユーザーでありながら、ユーザーが世界で2億人を超える来年ぐらいに、メディアとして面白くなくなるかもなと僕は思っているので...。


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2009年10月31日

2009年10月の読書記録

●伏木亨『人間は脳で食べている』(筑摩書房、2005)
「おいしさ学」を学問的に考察した良著。安全・安心を求め「脳で食べる」という見方に大変興味を覚えた。本能的な部分を失った極端な嗜好などについての仕組みがよくわかる。飲食店経営者は必読、毎日ご飯を食べる人は読んでおいて損はない。

●松下一郎『本当は危ない有機野菜―リサイクル信仰が生み出す「恐怖の作物」』(徳間書店、2009)
有機野菜は定義があいまいだ。しかしほとんどはそれを善ととらえている。本書の警鐘がどこまで真実かはわからないが、有機に興味のある人は目を通して損はないだろう。以前、リサイクルワンで食品リサイクルに関わっていた時、コンビニ弁当を堆肥化することに疑問を覚えたことがある。弁当を食べたくないと思っている人が、それでできた野菜を食べたいのかなと。「泥つき野菜は危ない」「虫食い野菜はより危険」など、一般的な思い込みを覆す発言も多く、読んでいて刺激になる。

●李登輝、小林よしのり『李登輝学校の教え』(小学館、2003)
"22歳まで日本人だった"李登輝氏の幅広い見識がわかる本。大きなことを成し遂げる人は、物事を大きく捉えてる。目先のことにとらわれない。李登輝氏のような人物を生んだのは日本の教育だ。李登輝氏のようになれる人物が現れない理由はない。

●ヨーラム"ジェリー"ウィンド『インポッシブル・シンキング 最新脳科学が教える固定観念を打ち砕く技法』(日経BP、2006)
メンタルモデルという概念を用いて、人間の思考について解説した本。現実は脳と世界が共同で作り上げる物語であるという論に納得。同じものを見てそれぞれが違うことを認識している。「世界は通常考えられているより、ずっと柔軟性に富んでいる」。世界平和の実現を妨げるのもメンタルモデルであり、「ありえないと思えることを考える勇気と理解力をもち、それに基づいて行動することが重要である」。

●ダニエル・ピンク『ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代』(三笠書房、2006)
大学卒業以来、企業に属したり旅をしたりする中で、漠然と考えるに到ったことが書かれており、わが意を得たりという感じだ。自ら会社という組織を作る上で実現したいことがたくさん書かれていた。

●駒崎弘樹『働き方革命―あなたが今日から日本を変える方法』(筑摩書房、2009)
自分より若い著者が、成功を成し遂げただけでなく、本書のような考え方に到ったことに、素直に感動した。社会の問題に自分の頭で考えて提言をするこの人は、まさに社会起業家の代表だと言えるだろう。日本を変えるのは、誰かではなく「あなた」だ。

●雁屋哲『美味しんぼ-101』(小学館、2008)
久し振りに読んだ漫画本。かなりタメになる。「食の安全」について書かれた一冊で、誰しもが目を通してほしい。それにしても山岡士郎に3人も子どもがいるとは...!

●水野仁輔『カレーの法則―スパイスマジックでつくる』(日本放送出版協会、2006)
カレーの基礎を確認できる一冊。経験で身につけてきた知識を一気に整理することができた。カレー粉+1~2種類のスパイスという形でのレシピ紹介は分かりやすい。「さすがカリ~番長」という感じの一冊。

●みずのじんすけ『東京カリー番長の神様カレーguide150』(文藝春秋、2002)
これだけのガイドを作るってのはホントにすごいことだ。店の特徴が、店主の声とともに分かりやすく紹介している。(カレーに限らず)飲食店は、その創業にものすごいストーリーがあると思う。その一部を垣間見ることができる本。

●丸元淑生『図解 豊かさの栄養学〈3〉最新ミネラル読本』(新潮社、1992)
知らない分野の知識が盛りだくさんで吸収しきれなかったが、とても興味深い内容。食に関わるものとしては手元に置いておきたい一冊だ。というわけで、買おうかと思ったが、絶版みたい。図書館に置いとくしかないか。

●コグレマサト、いしたにまさき『ツイッター140文字が世界を変える』(マイコミ、2009)
僕がtwitterを再開してから3か月で起こったできごとを振り返ったような感じの本。日本でのtwitterの歴史はまだまだ浅いのだな。twitter経験のない人にどうtwitterを伝えるのだろうかと思って買ったのだが、やっぱりそれは難しいようだ。「14年かかってネットはついにここまで来た」という一文に激しく同意。僕が今twitterにはまっているのも、ネットを始めて以来考え続けている「ネット⇔リアル」が実現しやすいツールと考えるからだ。


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2009年9月30日

2009年9月の読書記録

●大前研一『「知の衰退」からいかに脱出するか』(光文社、2009)
「考えない」日本人に対する警鐘。著者が以前から繰り返し言っていることのまとめだ。多くの人は半径3メートル以内にしか関心がなくなっているという意見には同意。それどころか、半径1メートルにも満たないんじゃないかと思う。視点を大きく持つと面白いよ。

●吉田典生『会社をぶっ壊して、チームを創ろう』(日本実業出版社、2008)
類書の中では読み応えがある本だ。(日本でいうところの)会社と、本来あるべき姿としてのチームについての特徴を分析して、組織を論じている。いろいろ参考になる良著。

●駒崎弘樹『「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方』(英治出版、2007)
社会起業ということについて改めて考えてみようと思った本。素直な文体が共感を呼ぶ。事業を起こすことも、社会に貢献することも特殊なことではない。やろうと思った人はできることで、やるべきだ。

●小山政彦『一生ものの仕事の習慣』(PHP研究所、2008)
船井総研社長の著作。特に目新しいところはないが、基礎を着実に抑えられている人こそが、活躍していくのが世の常なのだろう。「チャンスは能力順でなく先着順」「毎日手紙を十通書きなさい。そうすると三年後、世界が変わるよ」(船井幸雄氏の言葉)というフレーズが印象深かった。

●小宮一慶『「超具体化」コミュニケーション実践講座』(プレジデント社、2009)
分かりやすい。言わんとすることはよくわかるのだが、事例がいまいち現実に即していないような気がした。

●山本七平『「空気」の研究』(文藝春秋、1983)
空気という絶対権力について解説した、極めて興味深い日本人論。なるほどとうならせられるところが幾所もあった。うむ、よく分かる。

●石井貴士『本当に頭がよくなる1分間勉強法』(中経出版、2008)
これはスゴイ。でもやらないだろうな、これは。本の読み方として「Don't think, Feel!」を主張している。印象で読んでいくという新しい主張だ。本の内容を理解したり身につけたりというよりは、いくつか目に入ったことを(全体の内容にかかわらず)自己流に解釈して利用するという感じか。ビジネス書の利用法の一つとしては意義があるだろう。が、新たな知識を身につけるときにはどうだろう?

●竹村健一『シンボル・アナリストの時代―会社を蘇生させるのは「個人の知恵」だ』(祥伝社、1992)
どうしてこの本を借りたのかわからないが、図書館で受け取った。僕が高校生のときに書かれた本で、記述としては古びている。しかし、活躍する個人像や会社の姿については、今でも通じる記述にあふれていた。

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2009年8月の読書記録

●マックス・デプリー『響き合うリーダーシップ』(海と月社、2009)
チームづくりの要諦を教えてくれる。フォーカスリーディングの手法でとりあえず目を通して見た。繰り返し読んで応用したい。

●スーザン・フォワード『毒になる親』(毎日新聞社、2002)
親の言動が子どもに及ぼす影響について、豊富な事例として書かれている。親として子どもに接するあらゆるタイミングは、子どもの将来にとって重要な意味をなす。考えさせられる内容だった。

●堤清二、三浦展『無印ニッポン―20世紀消費社会の終焉』(中央公論新社、2009)
無印という"反体制的なもの"の成り立ちについて、堤清二氏のヒストリーとともに分かりやすく語られている。現代の消費社会に対する提言など興味深かった。

●上條典夫『ソーシャル消費の時代 2015年のビジネス・パラダイム』(講談社、2009)
ソーシャル消費というテーマで今後の消費動向を予測した本。内容が多岐にわたっていて、それぞれが興味深いが、キャッチーなキーワードが使われているところが特に参考になった。

●浜井幸子『中国まんぷくスクラップ』(情報センター出版局、2008)
中国の食は奥が深いなー。この本を書くためにどれほどのものを食べたのか。ものすごい量の写真を見るだけでも感動を覚える。地域の特色などについての記述も面白い。

●寺田昌嗣『フォーカス・リーディング 「1冊10分」のスピードで、10倍の効果を出す-いいとこどり読書術』(PHP研究所、2008)
読書の目的を明確にするという、ごく当たり前のことの重要性を説いた本。そのためのトレーニング法も書かれていて、それは試さなかったが、本に対する心構えを学ぶことができる。個人的には英語でこの読み方ができるようになりたい。

●ダニエル・ゴールマン『EQリーダーシップ 成功する人の「こころの知能指数」の活かし方』(日本経済新聞社、2002)
EQについて大学時代によく話題になっていたなぁ。個人と集団のEQについての記述が興味深かった。


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2009年5月31日

09年5月の読書記録

●ヘレナ・ノーバーグ・ホッジ『ラダック 懐かしい未来』(山と渓谷社、2003)
目の覚める一冊。旅をして世界と地域を考える僕にとって、この本はときどき振り返るべき視点・情報が満載だった。ラダックという地域の伝統と伝統が崩れさる現状に加え、著者が長年にわたって続けてきたカウンターディヴェロップメントの話は、これからの未来を考えるヒントになる。アマゾンでマーケットプレイスでしか買えないのが残念。もう絶版なのか。ラダックに行きたい。

●本多静六『人生と財産―私の財産告白』(日本経営合理化協会出版局、2001)
第二次大戦直後に書かれた本だが、現代にも通じる不朽の名著。お金に対する考え方、他人との付き合い方などについて非常に参考になる。60年も前に書かれた本というのは信じがたい。真理とは時代によって変わらないのだろう。経営者や自立して生きたい人は必読の本。

●藤原和博『つなげる力』(文藝春秋、2008)
リクルート出身の校長が自ら実践した教育改革について語った本。教育現場での"成果"という意味でも非常に興味深いが、それ以上に著者のリーダーシップ、そしてタイトルにもなっている「つなげる力」は興味深い。情報処理力より情報編集力という主張も大いに納得できる。この本を読んだ翌日に藤原さん開発のオリジナル腕時計の話を日経MJで見かけ、つながるストーリーとの関連でまた驚いた。

●ピーター・モントヤ『パーソナルブランディング-最強のビジネスツール「自分ブランド」を作り出す』(東洋経済新報社、2005)
パーソナルブランドの考え方、築き方などが体系的に描かれている。章ごとに学ぶべきものが多い。ツールを作りながらもう一度読み返したいと思う。

●Danbisa Moyo『Dead Aid』(Allen lane、2009)
援助不要論。必要な人に必要なものは届かない。その原因と打開策を、アフリカ出身の著者が書いた説得力のある本だと思った。読み進めながら自分が、アフリカのことを国レベル、またはそれより小さな単位では全く知らないことに気づいた。

●杉山経昌『農で起業する―脱サラ農業のススメ』(築地書館、2005)
農業論というより起業論として秀逸。農協に従わないことで、収益と作物に対する真剣な取り組みを実現している。ビジネスマンとしての経験を存分に生かすやり方は、農業だけでなく、NPOなど、これまで"聖域"とされる分野で広がってくるだろう。

●江間正和『ランチは儲からない 飲み放題は儲かる―飲食店の「不思議な算数」』(講談社、2008)
飲食店経営とコンサルティングで10年の経験のある方が書いた本。内容が具体的で、かつ、理解しやすい。開業前にこれを読んだらかなり参考になるだろう。自分がこれまでに築き、気づいてきたことを確認できた。飲食店経営者は目を通しておくべきと思う。

●苫米地英人『残り97%25の脳の使い方~人生を思い通りにする「脳と心」を洗う2つの方法~』(フォレスト出版、2008)
軽い本。エフィカシー、スコトーマという専門用語を学べたからよしとしようか。スペースの都合で書かないとされているもの多いが、空いているスペースにもう少し詰め込めないか。

●マーク富岡『3000人のユダヤ人にYESと言わせた技術』(サンマーク出版、2008)
国の名前がたくさん出てくる"人あたり論"。△□人は○○だというまとめ方は、あまり印象としてよくない。何千人と交渉した人の発言とは思えなかった。「TOEIC320点の男がつかんだ」と書かれた帯も、センセーショナルだが詐欺的。20年も経てば状況も変わるだろう。カツオくんが10年後に本を書いた方が相当面白いだろうなー。

●ジョアン・シェフ・バーンスタイン『芸術の売り方――劇場を満員にするマーケティング』(英治出版、2007)
芸術の世界にマーケティングは無縁だとか必要としないと思いこんでいる人には目から鱗の書だろう。ただし、この分野が未経験で精通していない僕にとっては、芸術に絡めて書いたマーケティングの本で、特に新しい視点はなかった。芸術を目的としてない人に芸術を浸透させる活動としては、パクチーハウスの試みはいいんじゃないかと改めて感じた。

●可兒鈴一郎『世界でいちばんやる気がないのは日本人――成果主義が破壊した「ジャパン・アズ・No-1」』(講談社、2008)
日本人のやる気のなさをデータから示した第一章は蛇足。タイトルにもなっているが、本書の価値はそんなところにはない。著者の学んだ北欧スタイルが、実体験を元に書かれている。『ヴァイキングに学ぶ日本の将来像』とかのほうがタイトルとしては合うのではないか。

●デヴィッド・バック『かしこいカップルが最後に笑う―-2人で4倍豊かになる9ステップ』(翔永社、2001)
財産形成に関することが一通り網羅されており、非常に参考になる。夢や価値観をしっかり考えた上で必要額をはじき出すという発想には共感。

●泉正人『お金の教養―みんなが知らないお金の「仕組み」』(大和書房、2008)
学問教育、職業教育に加えて、金融の教育が必要だという著者の意見には同感。僕も学ぶべきことがたくさんある。ただし、本書は金融教育の基礎を説いた本であり、印象的には中学校の教科書のような感じだ。内容が薄いというと失礼だが、お金の教養が世の中的に足りないと評価した著者が、このレベルに落として執筆したというべきだろう。

●根本孝『オランダあっちこっち』(実業之日本社、2003)
オランダの生活から得たさまざまな情報が満載。日本とのかかわりなどにも言及しているところが興味深かった。読みやすく、オランダの入門としては最適。

●姜尚中『悩む力』(集英社、2008)
現代社会のさまざまな事象を、夏目漱石とマックスウェーバーを引用しつつ、著者の体験を交えて語った本。「ブレない軸を持ちつつ、人とのつながりを持つこと」。最近活躍中の多くの人から聞くこのことが、この本のエッセンスでもある。散漫に悩んでいる人にとっては、この本は理解しがたいのではとも思った。

●森山真有『伸びる子の法則』(PHP研究所、2007)
たくさんの生徒の事例を持っているからだろう。なかなか参考になる本だった。生徒をマスでなく個々で捉えているのはさすが家庭教師の会社。

●カデナクリエイト『クイズ商売脳の鍛え方』(PHP研究所、2008)
パクチーハウス東京を掲載してもらった本。クイズとしてはどうかな・・・。雑学を吸収するにはいいだろうが、商売脳を鍛えられるような内容ではなかった。面白い会社、サービスのリストとして眺めるといいとは思う。

●田中靖浩『右脳でわかる!会計力トレーニング』(日本経済新聞出版社、2007)
同じ著書の『数字は見るな』をポケット版にしたような感じ。クイズ形式で手軽な印象だが、回答における理由づけが甘い。新幹線の中での暇つぶしとして読んだのだが、840円の価値はないと思う。


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2008年11月12日

ザ・ウィンザーホテル洞爺とパクチーハウス東京の共通点

窪山哲雄さん著 『ザ・ウィンザーホテル洞爺 ホスピタリティ』(インデックス・コミュニケーションズ、2008)を読んだ。1年半ほど前から飲食店のあり方について真剣に考え、1年ほど実際に店舗を経営してきた者として、共感できるところが大いにあった。ここにメモとして、同ホテルとパクチーハウスの考え方の共通点を列挙したい。ただし、まだパクチーハウス東京には到底至らぬ点も多く、以下のポイントの中で実現していない部分も多々ある。そういう部分はパクチーハウスの目指すところだと理解してほしい。

・「客室を売る」という従来のホテルがしてきたところから脱却したいという気持ち。お客さまをそのままでは帰さないという発想。客室に籠もりきりのお客様がいらしたら、外へ引っ張り出し、強引に背中を押してさまざまなことを体験してもらう。
・ホテルを文化発信の拠点として新しいライフスタイル提案の場としたい。
・グローバルスタンダードが叫ばれる時代に、日本人は伝統文化についてあまりにしらなさ過ぎる。忘れられつつある日本の文化をきちんと紹介し、素晴らしい文化に改めて関心を持ってもらいたい。正しい形で文化が伝われば、日本はより豊かになれる。
・人は食べなければ生きていけないからこそ、文化を知る最も近道となるのは「食」にある。
・文化というものは異質な文化との交流によって高めあい、洗練されていく。
・「食」と「食文化」の違い。つまり、単に空腹を満たすだけでなく、店と客との対話があり、食べる側がその空気をも楽しんで初めて「食文化」といえる。"文化にはその語り部が必要である"
・もしも対話のないスタッフがいたら、当社の従業員ではないと常日頃から言っている。
・フランス料理店に行って「フランス料理おいしかったね」というのは20世紀のサービス。21世紀は美味しいはアタリマエで、何か別のことを学んだ、楽しんだということが大切になる。
・海外のリゾートでは隣のテーブルでその国の王子が食事をしていたというようなことがよくあるが、こうした空間を日本にも持ち込みたい。エライ人と一般のお客さまがクロスオーバーする。世代や立場を超え、すべてがミックスした空間はとても刺激的で、見ているこちらも心躍る。
・子どもも大切なお客さま。さまざまな体験をして欲しい。日本に社交の場がないので、その社会的役割を担いたい。パーティが苦手な大人も子どもと楽しみながら、いつの間にか交流を楽しむように「仕向ける」。ホテルはお客さまにとっての新たな出会いや人脈さえも育める場。
・海外ではエレベータに他人が乗り合わせるとお互い挨拶して会話をはじめる。ウィンザーでは顧客招待会のときには声を掛け合うよう呼びかける。
・日本にはファミリーパーティの習慣がない分、海外の子どもたちと比べ自己表現が遠慮がちになる。垣根を越えた楽しさを実感させることで国際感覚、つまり相手を受け入れようとする心も芽生える。
・個々にあわせたサービスを提供する。「大人」「子ども」という大雑把なカテゴリーに対するサービスを考えることはよほど難しい。目の前のお客さまの反応を見て次の動きを考えることを積み重ねさえすれば適切なサービスが生まれる。
・ホテルのサービスとは、ホテル内で完結させるのではなく、外へと無限に広げていってこそ、完全を目指せる。"ストレッチアウトサービス"..
・サービスにおいては子ども扱い、年寄り扱いすることによって、人生のクオリティが下がってしまう。子どもは大人的なサービスをすることで成長する。日本は儒教的な考え方が残り、年を取れば取るほど自分をあるべき型にはめようとする傾向にあるが、価値観にしばられずウィンザーでは"ちょいワル"になっていつもと違うスタイルを楽しんで欲しい。
・ウィンザーには館内案内にもパンフレットにも載せていない、秘密のヌードルショップが存在する。
・現代のリスクマネジメントは「お客さまは神様です」ではなく、お客さまも人間、従業員も人間であるという捉え方でなければならない
・ホスピタリティを考えたときに、リザベーションの担当者が「予約」という作業だけに終始しない。「予感」を演出すべき。

2008年8月31日

08年8月の読書記録

堤未果『ルポ貧困大国アメリカ』(岩波書店、2008)
アメリカで増え続ける貧困層とそれを増長させながらたくみに「戦争ビジネス」を展開する"超大国"の実態を鋭く指摘した本。アメリカンドリームの発想が多くの失敗者を生むなど、これまでにない視点を提供してくれる。そんな国を盲従的にお手本にして制度を作っていくのは危険であると強く思わされる一冊だ。この十数年でアメリカのイメージが大きく変わったなと思う。

長坂寿久『日本のフェアトレード―世界を変える希望の貿易』(明石書店、2008)
日本のフェアトレードの現状についてとても分かりやすく書かれていた。キビシイ現状もよく分かったが、この分野ではものすごいブレイクスルーができると思う。

森達也『死刑 人は人を殺せる。でも人は、人を救いたいとも思う』(朝日出版社、2008)
死刑制度について学ぶには非常に参考になる本。森さんの立場は一応、中立となっているが、論の進め方は非常に森さんらしい。共感できたのは議論を進めるにあたって一人称単数の主語が失われ、「われわれ」「この社会」「国家」など複数代名詞を主語とすることにより述語が暴走するという指摘。今の世の中、偉そうにいう説得力のない人はみんなそうだ。

皆木和義『稲盛和夫の論語』(あさ出版、2008)
孔子の言葉が色あせないのはそれが本質をついているからなのだろうか。どのページをめくってもうなづける。昔から読みたいと思ってはいるが、この機会に論語を読もうかな。慧に素読させてもいいし。

中村繁夫『2次会は出るな!~20人で340億! カリスマ商社マンが教える!ビジネスマンのための「稼ぐ力」をつける13のレッスン~』(フォレスト出版、2008)
著者が自分の会社で実践している原理原則を書いた本。タイトルの衝撃からするとガッカリする人が多いと思う。ただし僕の場合は旅人マインドを持つ経営者としての著者に学ぶべきことは多いし、いつか会ってみたいなとも思った。

竹内 謙礼、青木寿幸『会社の売り方、買い方、上場の仕方、教えます!』(明日香出版社、2008)
M&AやIPOに関して分かりやすく書かれているだけではなく、会社を経営するにあたって(意識)すべきことなどが書かれていた。

戸田智弘『働く理由 99の名言に学ぶシゴト論。』(ディスカバー・トゥエンティワン、2007)
多くの人の名言を引用し、仕事観の多様さを描いている。人生を進めていく上で、まず大体の目次を作ってそれにしたがって書いていく、書いていくうちに少しずつ分かってくるので目次も修正しながら進めるというやり方について書いてあったが、納得。キャリアに悩む人が増え、キャリアについて書かれた本が増えているが、まずは何かやってみればわかることがある。

関根勤『バカポジティブ』(マガジンハウス、2005)
自身の体験から、ポジティブな生き方や誠意を持つことの大事さを分かりやすく書いている。どんなジャンルの人でも大成功している人には共通項があるものだ。

速水健朗『自分探しが止まらない』(ソフトバンククリエイティブ、2008)
「自分探し」という言葉には昔から違和感がある。自分など旅をしても、セミナーに行っても、どこかに落ちているわけがないからだ。すべての体験の蓄積が自分を作る。一度の体験で何かが変わるとする"「自分探し」を食いものにするビジネス"への批判は面白い切り口だと思った。ただ、本全体として主張が中途半端。

中村文昭『出会いを生かせば、ブワッと道は開ける!』(PHP研究所、2005)
類書の中ではあまりパっとしない気がしたが、おそらくこの人本人の口から聞くと違うんだろうなと思う。いいことが書いてあるのは確か。

河野武『そんなんじゃクチコミしないよ。 <ネットだけでブームは作れない!新ネットマーケティング読本>』(技術評論社、2008)
ネットを10数年利用した者としては、すごくアタリマエであまり内容のない本だと思った。ただ、ネットが万能と思っている人に警鐘を鳴らすという意味ではこういう本もありかなと思う。ただし、編集の仕方とタイトルを変えるべきだ。

たかはたけいこ『20歳でお店を立ち上げる―プロが教えるショップコンセプトづくりから融資交渉までのノウハウ大公開 企画・準備・実行のためのガイダンス』(繊研新聞社、2003)
開業までに必要なことが網羅されている。何となく一年前の自分の姿を確認するために目を通した。ここに書かれていることを一つ一つやれば開業できるかというと実際はそう甘くない。必要な事項を調べて一つずつ見つけていくほうがためになるし不測の事態にも対応できる力がつくだろうと思う。

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2008年5月31日

08年5月の読書記録

渡邉美樹『強運になる4つの方程式-もうダメだ、をいかに乗り切るか』(祥伝社、2008)
運は自分で引き寄せるものという著者の主張には共感する。諦めなければ悪いことは大きなステップになる。困難なしで成功する人などいないだろうな。

リカルド・セムラー『セムラーイズム 全員参加の経営革命』(SB文庫、2008)
革新的な社風を作ったというだけではなく、それを旧態依然とした会社の状況から変革していったというのが面白い。ほとんどの会社は独裁的だが、民主的なプロセスを取り入れることで変わってくるものもあるのだろう。ダイキン会長の井上氏の考え方と重なる部分もあり、興味深かった。

井上礼之『「基軸は人」を貫いて (私の履歴書)』(日本経済新聞出版社、2008)
ダイキン工業元社長の「私の履歴書」。「望まない配属」を繰り返しながら、社長に登りつめて業績をV字回復させた著者の経営と人間に対する接し方が書かれている。タイムカードの廃止など性善説に基づいた人事管理を古くから行ったという氏のスタイルは非常に参考になった。

リチャード・バック(村上龍・訳)『イリュージョン』(集英社、1981)
ビジネス書ばかり読んでいたが、すまいるスキップの前田さんにいただき読んだ小説。世の中は見る人によって違って見えるということを主題とした本。昔ならそうは思わなかったが、最近はそう思う。かなり楽しめたが、いくつかのレビューで翻訳のまずさを指摘していたので、そのうち原書で読んでみたい。

持田騎一郎『儲かる音楽損する音楽―人気ラーメン屋のBGMは何でジャズ? 』(ソニーマガジンズ、2008)
「BGMコンサルタント」として業を成り立たせようとする著者の本だが、内装などと同じようにBGMを「収益を上げる」手段として捉える考え方は興味深かった。この本を読んで「儲かる音楽、損する音楽」が分かるというものではないが、この発想を常に意識しておきたい。

細野祐二『公認会計士vs特捜検察』(日経BP社、2007)
本書の内容がどこまで真実かは分からないが、類書がいくつか出ていることから、刑事事件の有罪率がほぼ100%であり、捜査の過程に非人間的なことが行われているのは確かなのだと思う。司法試験という難関を経たエリートが、そういう操作手法に慣れるために、どのような「教育」が行われているのかに非常に興味がある。

渡邉美樹『無人島ウィー 』(日本経済新聞出版社、2008)
大会社の長がこういう絵本を出そうという姿勢は素晴らしい。

ロバート H.フランク『日常の疑問を経済学で考える 』(日本経済新聞出版社、2008)
面白そうなタイトルだったので図書館で借りた。本屋で見ていたらタイトルで買ってしまっただろう。「買わなくてよかった」。項目は面白そうなものが多いが、内容には深みがない。いろいろな現象を経済学で説明しているというよりは、経済学者がこじつけをしているだけ。


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